―今回発売となりますニューミニアルバム『Trickster』ですが、このアルバムタイトルの由来を教えてください。
「Tricksterっていうのは、孫悟空だったり、日本神話のスサノオだったり、神話や物語の神々を振り回したり、話を引っ掻き回してハチャメチャする人物像を表す言葉なんだけど・・・もっとわかりやすくいうと「こち亀」の両さんみたいな(笑) このTricksterという言葉をヒントに今回のアルバムを作ってみようと思ってね。」

―だからかもしれませんが、全編通してすごく翻弄された感じになったんです。1曲目の色即是空(shiki soku ze ku)から『こう来るか!』って。
「今まで自分のソロの曲でこういう曲調がなかったワケじゃないけど、1曲目に持ってくることはなかったからね。」

―静かで雰囲気のある曲から入って、2曲目は表題曲でもある『Trickster』。王道も言えるロックチューンですね。曲始まりの”ニャー”って鳴き声にはビックリしました!
「それ良く言われるんだけどねー。実はあれ”ニャー”じゃなくて、”Now!!”って言ってるんだよ(笑)」

―え!そうだったんですね。失礼しました・・・。僕の中で、Tricksterを表す動物がネコだったので、勝手に思い込んでしまいました(汗
「へぇ、そういう受け取り方もあるんだね。でも、そういうのって人それぞれの感じ方があっておもしろいと思うんだよね。それはそれでアリ(笑)」

―そして続く曲が『一撃必殺!!!!!!』。これはまたすごく勢いのあるタイトルで。
「”One Shot One Kill” を訳せば”一撃必殺”、 ”!”が6つでCrack6さ(笑)例えば普段生活していてストレスを感じたり、嫌なこととかは多いと思うんだけど、この曲聴けば”一撃必殺”だよって話(笑)」

―詞といえば、その中にメンバーさんの名前も出てきますよね。これは始めから登場させようと思って書いたんですか?
「いや、最初はそんなつもりじゃなかったんだけど・・・まぁいわゆる遊び心ですね。」

―うちの代表も周りから”シゲさん”って呼ばれているんで、始めはビックリでした。”えっ?何で??”って。後々違うことに気づいて何か安心しました(笑)
「あ、確かにそうだね。でもそういう部分も含め、楽しめるよね。みんなの周りの誰かに置き換えてもらってもいいし、それが厳しければうちのSHIGEさんやJIROさんのままにしておいてくれれば(笑) あ、でもSHIGEさんやJIROさんも実際はかなり厳しい人だよ?”優しそう”とか”楽しい人”ってイメージがあるみたいだけど、理想と現実は違う!(笑)」

―4曲目の『未来パラドックス』は、今年頭にシングルとなった曲ですね。個人的に1番好きな曲です!
「ありがとう。この曲、テンションアガるでしょ?」

―そうなんですよ!アルバムの中で、一番ライブの絵が浮かんできたのがこの曲なんです。お客さんはここでこうするんだろうなーとか。曲として結構遊び心を入れたのかなって思いました。
「エレクトロ的な要素も入れて歌にボコーダー(※1)も使ってみたし、ライブを想定してオレ達の事よく知らなくても、ノレる曲ってのがねらいだったから。まぁライブでは特に楽しめる曲の1つだと思うよ。」

―打って変わって、次の『スパイダ』はすごくアダルトな雰囲気で。ラテンのリズムって何かエロさを感じます。あと、詩にストーリー性があったのですごく印象に残りました。
「最近のCDから育った人って、曲を丸っと最後まで聴かずに、1番聴いただけで飛ばしちゃう人がたくさんいるって聞いてね。やっぱりそれって作り手としては悲しいことなんだよね。だったら頭だけ聴いただけじゃわからない歌詞にしてみようかなって思ったんだ。つまり歌詞にストーリーを持たせてみようかな、って。1番だけ聴くとただのラブソングなんだけど、最終的には全然違う結末が待っているっていう。歌詞の1文にある”無防備な?”ってフレーズも、最終的には意味が違ってくるからね。」

―確かに!最初は卑猥なイメージしか沸かなかったんですけど(汗) 他の部分も、全て意味合いが変わってきますね。『スパイダ』の女性も怖いですけど、次曲『狂想曲-第666章-』の女性は、また違った意味で怖いです(笑)
「タイトル通り、この曲の主人公はちょっと思い込みの強い人なのかもね(笑) ちょっとシンフォニックデスメタルっぽい雰囲気も持たせて、とにかく歌詞も曲も激しい感じになってる。かなり濃い曲だよね(笑)」

―そして、ラストを飾る7曲目『faraway』は、王道のロックチューンですね。
「『faraway』の前2曲があれだけ濃くて、インパクトがあるんでね。締めは爽やかにいこうかな、と。1曲目がああいう感じってこともあったし、この曲を最後に持って来た。この曲、特に歌詞が好きな人が多いみたいだよ。」

―さて、ここまでニューミニアルバム『Trickster』を追ってみたワケですが、初期のCrack6と比べミクスチャー感よりも、ストレートな感じが前面に出ているように感じましたが、何か心境の変化があったんでしょうか?
「音楽的にミクスチャー(ゴチャマゼ)なのはCHISATO(ソロ名義)時代から変わってないかな、と思う。一曲一曲のジャンルも結構ごった煮だからね。活動に関して、変わらない良さを持っているのがPENICILLIN、変わることの良さを持っているのがCrack6。PENICILLINはPENICILLINなりのチャレンジ、Crack6はCrack6なりのチャレンジをやってる。おかげ様でどちらも良いスタッフ、良いメンバー、良いお客さんに囲まれて活動を続けてられるんだけど、Crack6の場合、色々みんなのアドバイスが飛んで来るなか、結局それを取捨選択するのは結局自分だから。自分のモチベーションを保つ意味でも、「その時の、やりたいことをやってる」部分が強いから、音楽性に変化が見えるのかもしれないね。」

―MSTRのお話を聞いていて、Tricksterって言葉はMSTRを表す言葉として結構ハマるんじゃないか、って気がしてきました。
「やりたいことやって周りを振り回してますからね(笑)」

―いや、そういう意味ではなく・・・(汗) ところで、名古屋に対してどんな印象をお持ちでしょうか?
「名古屋は大好きだよ!いつもライブやると、盛り上がりがハンパないんだよね。前回のツアーはファイナルだったんだけど、ツアーの頭の方で来てくれたお客さんが ”楽しかったから、他の地方も行きます!” って言って、名古屋にもたくさん来てくれたんだけど、”名古屋は更に楽しかった!” って言ってくれたからね。そうやって、ライブを楽しんでもらえることはマジで嬉しいよね。」

―それでは最後になりますが、ファンの皆様、初めてCrack6に触れた方々へ、一言お願いします。
「CDだけ、ライブだけってのももちろん良いとは思うけど、ソコとソコが繋がった方が絶対に楽しいと思うから、CDを聴いて、ライブも見に来てくれたら嬉しいです。そして日頃のストレスや嫌なことは、ライブやCDを聴いて全部洗い落としてください。」

 

(※1) 音声圧縮技術の一種で、人間の声をシンセサイザーで解析し、機械的に合成し直して音を鳴らす技術のこと

インフォメーション
 

7月8日(日) @ell.FITSALL
ワンマン TOUR2012“Crazy69”
Crack6
※3歳以上チケット必要
open17:30 start18:00
前売り¥4800(without drink)
Ticket Now on Sale!!

 

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