敦史(Vo)、永田浩之(Gt)、なおちゃん(Ba)、まっきー(Dr)の4人からなる、フリースタイルロックバンド”Dusty Miller”。結成して間もない頃から彼らを見てきた。時には迷い、時にはぶつかりあい、そして時々良いライブを見せてくれて(笑) 彼らの素晴らしいところは、常に全力で、常に本気で物事と対峙するところだと思う。そんな彼らの初ワンマンが8/21(土)FITSALLにて行われる。FITSALLで地元、名古屋のインディーズバンドがワンマンをやることがすごく久しぶりのことのように感じる。名古屋にもこんな原石がいるんだよ、ってことを少しでも知らしめたく、この場を設けた。Dusty Millerの本気を少しでも読み取ってくれたらこんなに嬉しいことはない。
―意外にもDusty Millerにインタビューをするのって初めてだったんだね。ということで、まずはバンドの紹介からお願いしたいんだけど、Dusty Millerって自分たちからみたらどんなバンドだと思う?
敦史：「名古屋で活動している、”フリースタイルロックバンド”です。メンバー4人それぞれ、音楽的バックボーンが全然違うっていう良い意味でのバラつき感が、素晴らしいケミストリーを起こしてDusty Millerの音楽が生まれてます。そして、それをもって全てを巻き込んでいけると信じてます。」
―その”フリースタイルロック”の核を担う、今の4人が集まったのはいつ頃だったの?
敦史：「結成が2006年の6月で、8月FITSALLでのライブから、活動が始まったんですよ。2009年の8月には、その時に出した『過呼吸』というシングルのレコ発イベント『開花宣言』をやったじゃないですか?初ライブが8月、初めてのレコ発も8月、そして今回の初ワンマンも8月。8月のエルにすごく縁があるみたいですね、Dusty Millerは。」
―ほんと・・・びっくりするぐらいの縁だね。何で見事なほど8月に固まったんだろうね?
敦史：「何なんでしょうね?・・・夏男だからですかね、俺となおちゃんが(笑)アイツと俺の誕生日が2日違いで、俺が9/21アイツが9/23で。8月っていうとお母さんのお腹の中で暴れまわってた頃だから・・・早く殻を破りてぇ!!って時期なんですかね?だから8月って本能的に動き回っちゃうんでしょうね。」
―なるほどね。Dusty Millerを知る上で重要な、”フリースタイルロック”について教えてもらえる?なんでDusty Millerはそのスタイルを掲げたのか。
敦史：「Dusty Millerってバンドを、ある人は”ミクスチャー”って言うかもしれないし、ある人は”ビジュアル系”って言うし、見る人によって印象は様々だったんでしょうね。昔からどこに行っても『統一した方がいいよ』ってとにかく言われ続けていて、1回統一してみたんですけどしっくりこなくて。当時は考え方が柔軟じゃなかったから、”こう決めた以上、こうあるべきだ!”とか、自分たちで型にはまろうとし過ぎちゃって、メンバー間でズレが生じてきちゃったんですよね。でもだんだんお互いのスタイルを尊重することが出来るようになってきて、いつからかみんな”フリースタイルロック”って言葉を使うようになって、”フリースタイルロックバンド、Dusty Miller”が生まれたんです。」
―Dusty Millerがそこに辿り着いたことってすごく必然な気もするなー。”フリースタイル”って言葉がここまでピッタリはまる個人の集合体もないよ。そんな4人の個性がワンマンのタイトルにも表れてるよね。ワンマンライブ『四色問題』。このタイトル造語なの?
敦史：「数学の定理で『四色定理』(注１)ってのがあるんですけど、そこからまっきー(Dr)が持ってきました。この定理が確立されるまで結構な時間がかかってるんですけど、それまでは『四色問題』って呼ばれ方をしてたんです。簡単に説明すると、地図上で隣合う領域を、それぞれ被らないように色分けするには最低何色いるのか?ってのが『四色問題』なんです。隣の色と被らない最低限の4色・・・これが俺ら4人を表していて、あとは、どんなバンドが来てもどことも被らない俺たちっていう、Dusty Millerというバンドを表す言葉としてこれ以上のものはないと思います。」
―・・・ごめん、普段の姿からこんなに賢い子たちとは思ってなかった(笑)ところで、新しいシングルも発売するんだよね?
敦史：「そうなんです。7/28(水)発売で『metric modulation』っていいます。3曲入りなんですが、3曲とも全っ然雰囲気が違う。俺たちが掲げてる”フリースタイルロック”という、オーディエンスも演者も含めたフリースタイル感ってのがすっげー詰まってる作品です。」
―正にDusty Millerを体現するシングルが出来たんだね。そしてその発売の後、8/21(土)ell.FITSALLで初のワンマンが待ってます。初ってことで気合い入ってると思うんだけど、今どんな気持ちでいる?
敦史：「ワンマンだからってことで特別気負ってるってことはないですよ。というか、どんなライブであろうといっつも気合い入ってるから、いつもと変わらずやることをやるだけ。全力でFITSALLに向かっていくだけ。スタッフさんに言うことじゃないかもしれないけど、俺らにとってこのワンマンは通過点でしかない。ただ、この通過点の扉はものすごく重いとは思ってます。でも俺らはこの扉を開けて、次に進まなきゃいけない。4人だけの力では開けられない扉だろうから、FITSALLのスタッフさんも一緒に、何よりも当日会場に来てくれるみんなと一緒に扉を開けたいって思ってる。みんなで一緒に扉をくぐって、その先にある景色を一緒に見たい。次のステップに進みたい。『良いライブにしたいです』とか『良いライブにします』とか、そんなんじゃないんです。当然のことのようにやりますよ、ワンマンを。絶対に良いライブになります。成功しないわけがない。」
―最後に、6月に対バンしたBACK-ONが、偶然にもDusty Millerと同じ8月にワンマンをやるんだけど、あの日一緒に会場を盛り上げてくれた盟友に、一言お願いします。
敦史：「最高にバカで、最高にハッピーな、頼りになる兄貴たちのバカ騒ぎ。俺も、思いっきりバカ騒ぎしに行くんで、ブチかましてやってください!!」
注1: 四色定理とは、いかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるように塗るには4色あれば十分だという定理
