nil

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nilというバンドがいて、トリオででっかい音のロックを奏でています。すげえカッコイイバンドなんでみんなに聴いて欲しいんです。なんでとりあえずこのインタビュー読んでみてください。読まずにライブに来てもらってもOKです。

―ニューアルバム『SCOTOMA』に関してうかがいたいんですが、先入観、という意味でしたっけ?

哲:「医学用語らしいんですが、元々はblind eye=盲目の事らしいんですが、そこから派生して「心の盲点」、「先入観」っていう意味が生まれたらしいんですけど、あんまりそこに意味は追求せずに、「スコトマ」っていう響きが、いいなって(笑) ピンクフロイドの『UMMAGUMA(ウマグマ)』とかENIGMA(エニグマ)とか」

―今回は公開レコーディング、という聞きなれないキーワードが・・・これはお客さんが観ている前で、一曲ずつ一発録り(バンドの音を全部を同時にレコーディングする事)していった訳ですか?

哲:「そうですね。」

―なんか、音の塊、というか、すごいパワーと緊張感をもったアルバムになりましたね。

哲:「こういう音になるっていう事は想定していなかったというか、メンバー、スタッフそれぞれの中に漠然とイメージがあったかもしれないですが、僕にとってはもっと、ライブ盤に近かったりとか、ちょっとグシャっているというか、一時流行ったガレージサウンド的な、スティーヴ・アルビニ(ニルヴァーナ、ピクシーズ等のエンジニア)的な、ドラムの音がジャバーンとして、いい意味で汚い音になるんじゃないかな、と思ってて。とにかく全体的に歪んで(音が)割れているカッコよさみたいなとこに行くんだろうな、って勝手に思ってたんですけど、全然スタジオ盤と変わらぬ、というかスタジオ盤な音質で。」

―ロックの原始的なパワーが詰まっているというか。。。しかもモノラルミックスで。

哲:「そうですね。文明の進化と共に色んな手法が生まれて、色んな形の音楽が生まれてきたけど、結局3人編成なんていうシンプルなロックバンドには、そういう編成のロックバンドが生まれた時のシンプルな機材でなんとかなってしまうんだな、っていう事も感じながら。」

―そして結構メロディアスですよね?

哲:「そうですね。パッと聞くと、勢いと音圧感でへヴィな印象を受ける人もいるみたいなんですけど、僕の中では意外とちゃんとメロディがあるなあっていう(笑)『HEAVY MENTAL』なんかは十分ポップソングだと思っていて(笑)」

―念願叶って、ついにタイトルになりましたね、『HEAVY MENTAL』(笑)

哲:「ずっと暖めてきた駄洒落なんで(笑)」

―そう言っちゃうと、お父さんが娘に言おうと暖めてて、いざ出したら無視された、みたいな(笑)

哲:「(笑)部下にやっと笑ってもらえた、みたいな(笑)」

―哲さんがバンドを始める初期衝動みたいなものはいつ頃だったんでしょうか?

哲:「お袋がそもそもビートルズが大好きだったり、兄貴はハードロックが好きで、ギターが家にあって。ただ、ギターヒーローになりたい、とは全く思わずに、ただギターを弾いて、一生懸命曲のコード進行をコピーしながら、一緒に歌を歌う、みたいな事はずっとやっていて。こういうギタリストになりたい、とかそういうアイドルも別にいなくて。歌が好きで、ギターも好きで、漠然とギタリストになりたいな、ぐらいは思っていたんですけど。」

―nilで表現しているものに対して主義、思想だったりはあったりするんですか?

哲:「その時々でやっぱり変わっていくんだけど、最近はその主義とか思想っていうのは置いておいて、せめて一緒の空間にいられる時は人生を楽しもうじゃないか、っていう主義、になっていますね。その時その時で自分が何を考えていて、バンドがどういうモードにいてっていうのが直結で楽曲になっていって、それを繰り広げるステージをやっていて、という事をここ数年でやり続けだした、という感じ。そもそもトリオバンドがやりたくてnilを作った訳でもなければ、ギターボーカルを始めたわけでもなくって、自分の作った曲を歌う為に、必要最小限のものを揃えたら、この3人編成でいけたっていう。だから自分のやっている事ってロックはロックで、ロックンロールって言い張れば、ロックンロールではあるんだけど、それにはちょっといびつな形なんだなっていうのを思いますね。」

―ジャンル分けは出来ないですよね、nilの音は。

哲:「そう言ってもらえると嬉しいですね。そこは目指していた気はするんですよね。でなかったらnilっていうバンド名はつけないと思うんで(nil=皆無、完全なるゼロ)。そういういびつなものが好きで、nilがどういう形でロックをっていうと、性格もね、歪んでいるんですよね、きっと僕は(笑)素直じゃない。かっこいいものをかっこいいって思って、それで。。。だから何?って思っちゃう(笑)」

―多分僕もそちら側の人間なんで、わかります(笑)

哲:「映画のCMで「感動しました!」「泣きました、もう一回観たいです。」とかいっているあの馬鹿どもを(笑)、全員集めて、いじめぬいて泣かしてやりたい(笑)」

―すいません、それは僕より大分歪んでますね(笑)

哲:「自分の歪んでいる性格がストレートに音楽に表れるとすれば、やっぱりいびつなロックだなって思ったりして、ただ、ロックのシンプルな楽しさ、カッコよさっていう魅力だけは、絶対素直に受け止めて、それが大好きであるから36歳になっても続けている事なので、ロックはやっぱり大好きで、どんなにこれ以上性格が歪んでもそこからは離れられないな、と。」

―まだ歪むんですか(笑)色んな葛藤とか、内面的なものがあっても、アウトプットの形はシンプルなんでしょうね。トリオバンドででっかい音でカッコイイじゃん、みたいな。

哲:「そうかもしれないですね。インプット側は色んな時代と国と、その時その時の色んな難しい自分だったり、むかつく自分だったり、くだらない自分なんだけど、それをキュッと整理して、アウトプットとしてはトリオバンドでっていうね。そりゃあ、いびつなロックになりますわな。そういう事でした(笑)」

―ライブについてうかがいたいんですが、今回、ライブと普通のレコーディングの間ぐらいのスタンスのレコーディングをしちゃったわけですけども、今度のツアーはどうなりそうですか?

哲:「新しいアルバムの曲はほとんどやると思うんですけど、それに吸い寄せられる過去の曲ももちろんやると思うし。さっき誰みたいになりたいっていうのは明確にはないって言ったけど、ロックの人達から受けた衝撃は「カッコイイ!」っていうものだったから、色んな形はもちろんあるにせよ、自分がそういう衝撃を受けて始めたからには、素直に言いますけど、やっぱり「カッコイイ」ものでありたいっていう。人がっていうかやっぱりロックがカッコいいぞっていう事がステージで表現出来るだけの新しいアルバムが出来たんで、是非皆さん、ツアーに遊びにきてください。」

―お、聞く前にまとめていただいちゃいました(笑)ありがとうございました。


インフォメーション
 

nilの次回ライブは・・・
10月18日(日) @ell.FITSALL
nil tour'09 "SCOTOMA"
open17:30 start18:00 
前売¥3000 当日¥3500 (without drink)
Ticket Now on Sale!!

 

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