スクリーミングソウルヒル


 今回、インタビューするにあたって、予備知識としてSCREAMING SOUL HILLのジャンルやサウンドを説明する言葉をあれこれ用意していた。「ヒップホップという言葉が日本でも認知され、そのヒップホップとへヴィロックの融合した『ラウド系』と呼ばれるジャンルが確立し、それに括られるバンドが沢山出てきて」・・・云々。しかし、いざ、12月4日にリリースされた彼らのブランニューCD" Y'all, Let's get it"を聴いて・・・1曲目のリフで面倒な言葉どもはふっ飛んでいってしまった。「なんだ、ロックなんじゃん!」、わずらわしい説明無しで素直にかっこいい。そしてよく聴くと曲の端々から感じとれる、彼らの幅の広いバックグラウンドに思わずニヤリとしてしまった。ロックバンドとして素直に今回の新譜のこと、そして名古屋は初となるワンマンライブのことをSCREAMING SOUL HILLボーカル鈴木剛二に聞いてみた。

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―さっそくですが12月4日に発売になったニューCD" Y'all, Let's get it"のことについて。思いのほかキャッチーなリフや70年代っぽいアナログなギターの音とか、以前よりロックな印象が強くなってて、最近のラウド系バンドの作り込んだ音とはちょっと違うなって思ったんですが。

「もともとあったものなんだけど、こっちから見てるとこっちの部分はみえないから(と、両手でボールを表して)、俺達の中にあったものをさらにまた出したというだけ。」

―楽しいんだ?

「楽しいね。最近もっすごい楽しい。九州だけじゃなくて名古屋もなんだけど、とにかくライブが楽しくて仕方ない。」

―SCREAMING SOUL HILLというのは球体のイメージ?

「そうそう、立体的なんだよね。」

―その立体を構成するメンバーの音楽性っていうのは?

「もうね、バンドのメンバーとは人間性で繋がっているから。そいつが好きな音楽で、そ
いつが消化してきて、出来たものがぶつかり合うのが本来バンドだと思う。メンバーの音楽のバックグラウンドはバラバラ。ドラムの粂井さんなんかは普通にラウド系も聴くし、キャロルキングとか女性ボーカルも好きだし。俺も歌モノの女性ボーカルとか好きだし、パフダディとかのヒップホップものも好きだし、当たり前のようにニルヴァーナ、ガンズ、レッチリとかもずーっと聴いてきてるし・・・4人それぞれのアンテナに引っかかればそれを取り入れる、それが音楽だと思うし、自由なスタイルだと思う。」

―「こういうジャンルは・・・」とか「○○系の」という言葉をさっきからよく使ってしまうのですが、こういったカテゴリだったり、
バンドを取り巻くシーンというものが確実にできあがりましたよね。シーンができたってことは良いことでもあるけど、一方、リスナーに飽きられるとかバンドの競合が激しくなるとか、そういう危機感はないですか?

「全然ないね、例えば俺らの音楽をいろいろ分析する人がいるんだけど、おれたちは当たり前にロックをやってるのね、当たり前に聴いてきたものを消化した形がSCREAMING SOUL HILLだから。誰がどうのこうのじゃなくて、やっぱり自分。堂々とガツンっていうものがあれば、例えばシーンがなくたって、それを堂々とやればいいことだと思うんで、その辺は全然問題ない。その代わり、自分が共感できるカッコいいバンドが出てきたっていうのも確かだから、それはとっても嬉しいね。」

―多くのバンド達とイベントを行うことも多いSCREAMING SOUL HILLですが、来年1月7日遂に名古屋初ワンマンですね。イベントとワンマンの違いってあるものですか?

「それよく聞かれるんだけど・・・ないね、全然。基本的にあっちゃいけないと思う。ステージに上がるなら、どんなステージでも同じだから・・・もし何か違いがあったら、自分達にとってもダサいし、観に来てくれた人にとってもすごく失礼なことだと思うんだよね。ステージに上がる時は前のステージよりも絶対良くしてやろう!って思って上がっていくだけで、それがたまたまイベントで時間が30分だったら30分なりの見せ方をするし。マラソンと短距離走の違いであって、ゴールする時の疲労感、爽快感は一緒でなきゃいけないと思うから、気持ち的には絶対に変わっちゃいけない。」

―なるほど。でもSCREAMING SOUL HILLのステージって、相当激しいですよね・・・?

「えっとね、みんな心配してくれるんだけど、大丈夫。意外と上手いことやってるから(笑)。いきなり100mダッシュのつもりで走れば、もたないことはこれまでの経験で分かっていることだし、でもどうしても途中で疲れちゃえばぶっ倒れちゃえばいいんだし。ぶっ倒れちゃったら仕方ないもんね(笑)、そしたらみんなで歌おうぜ!ってなれば、それはそれで良いと思うよ。」

―では、そんな激しいワンマンライブに来てくれるお客さん達にメッセージをお願いします。

「今回はオープニングにALMIGHTY BOMB JACKを迎えて、地元の名古屋でがんばってるバンドとやるっていうのはすごく楽しみ。そしてお客さんには、せっかく出会ったんだから、自由に、自分達のやり方で楽しんで欲しいね。例えばね、楽しかったら暴れるかっていったらそうじゃないと思うんだ。静かに聴いてても、ものすごくいいライブだったって言われるときもあるし、これまで俺、いろんなライブをやってきていろんな経験をして感じたことなのね。だからもう自分なりの楽しみかたで楽しんじゃって。俺たちは俺たちなりの楽しみ方、楽しませ方で一緒に行くから。好きにしてください!」


インフォメーション
  info:SCREAMING SOUL HILLの名古屋初ワンマン!
2003年1月7日(火) @ell.FITSALL
OA:ALMIGHTY BOMB JACK
open18:30 start19:00 ad\2500 (without drink)
Ticket Now on Sale!!
(問)サンデーフォーク 052-320-9100
 


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