第9回
親愛なる読者諸君突然だが皆さんは時間を無駄にしていないだろうか。(この際だから「人情紙風船」を読む時間は除く)「光陰矢の如し」と古人も言っているではないか。(これは決して、銀行から金を借りると行員が矢のような催促をするという意味ではない)時間は矢の如く、かくも早く流れるものだ。決して無駄にしてはいけない。そういう訳で俺はバンド活動の余暇に見るテレビ番組も厳選した良質の番組のみを見ている。まずは以前ご紹介した「クマゴロウ」そして「ゴーゴーファイブ」「お達者クラブ」。そんな違いのわかる男まさともが今回自信をもって皆さんにご紹介するのがフジテレビ系列で放送中「愛する二人、別れる二人」である。(もちろん司会は、みのもんた) この番組はメジャーな番組なのであえて説明する必要もないかも知れないが健全な読者諸君のために簡単に説明すると、番組は基本的には夫婦関係のこじれた二人の仲裁の番組である。そして浮気の発覚!借金地獄!不倫!など仕込みくさいイベントを次々と暴露してより深く二人の仲をこじらせるのが番組の目的だ。そんな番組を盛り上げ話をややこしくするのに一役買っているのがデヴィ夫人である。デヴィ夫人は一応番組のパネラーとして登場しているにも関わらず全く人の意見に耳を傾けず、それどころか相談者の訴えすらまるで無視というスタイルを貫いている。元インドネシアの大統領夫人のくせに東ティモールがどうなろうと一切気にしない彼女の生き様は俺の中でポイントが高く、リスペクト。ろくでも無い芸能界において鈴木その子に続く熱いキャラだ。そんなデヴィ夫人が本領発揮!という放送が先日あった。 今回の夫婦の問題はかなりレアだ。なにしろ「夫がガンダム狂」。これに耐えかねた妻が他に好きな男ができて「別れてください」と。デヴィ夫人や七色の髪の魔女は、鬼の首でも取ったかのようにすごい勢いで罵った。「純粋でい〜ダンナさんじゃなぁい。アナタば〜かねぇぇ」と。他の人も旦那擁護っぽい。しかもデヴィ夫人とかに支持され勢いづいた旦那はこともあろうに番組中で誇らしげにガンダムの誰それのセリフをそらんじて見せ、この後に及んでも奥さんに「ガンダムの世界は奥が深い、人間模様なんだ」と語りかけた。問題がガンダムだけに俺も身につまされる思いで番組を見ていた。確かに、ガンダムの世界は奥が深いよ。しかしそれを全国放送ゴールデンタイムで熱く語る(しかも目がマジ)旦那を一方的に擁護しても良いのだろうか?そう、それこそこの番組が最高に感動的なところなのだ。つまり答えは「YES」。なぜならデヴィ夫人を含むパネラーは相談者の話など聞いていないのだから。誰も相談に乗らない相談番組。なぞなぞのようだがこれこそ「愛する二人、別れる二人」が視聴者の心を引きつけてやまない理由なのだ。 以上このことに付いてはあまりに問題が重要で馬鹿馬鹿しいので続きは次号の「解決篇」で発表する。読者諸君もよいアイディアがあったら編集部まで。 |