社説

能無しがCDを作る現実


 ちょっとCD作ってみようと考えている諸君と、ちょっとCD作っていい気になってる諸君へ。今日び誰でもちょっとした知恵知識があれば簡単にCDができる。テープより安くできる。ジャケットだってパソコンとカラープリンターで写真もイラストも思いのまま、ハイ、カッコ良く出来上がり。メンバーがいなくても演奏できなくてもできる。実際にライブができなくても曲だって、アレンジだって録音だって、簡単にできる。みんなのあこがれインディーズ、夢のCD!分からないパーな人には親切な業者さんまでお電話を。簡単だ。

 でもちょっと待ってくれ。君がCD出したことだれが知ってるんだ?友達の知り合い?それだけ?そんなすばらしい作品なのにをそれだけの人しか知らないのかい?CD作るだけ作って、売ること忘れてないかい?もっと大勢の人に聞いてもらうためにCD作ったハズなのに、宣伝も人任せ、流通も人任せ、今の 時代にCDショップの店頭にCDが並ぶまでどんなに大変なのか、一旦並んでもそのCDがさっぱり売れなかったらどういう扱いされるか分かってる?作るだけ作って部屋に山積み。

 それなりに一生懸命作ったのに、まだ数少ないけど、愛されてせっかく世に出た作品を埋もれさせていいの?手売りで何枚売れたって、それはいわゆるパー券といっしょ。知ってる人だけが知ってて何の広がりも出ない。世間の認知が得られなければただの自己満足。顔も名前も知らない潜在的なお客サンは何人いるの?知り合いしにしか渡らないとしたら、それは高校か中学の卒業アルバムと同じ.社会的認知はある?このCDで社会的認知を求めるのさと考えている君達も作ることだけに夢中になりすぎて、作ってからの事考えてないんじゃない?そのCDがどんな人に出逢わせてくれるかは全部君達がCDと一緒に作っていくことだ。