好評連載
しゃちの部屋第36回

 この間久しぶりに熱い夜(?)を過ごしました。

 それは1/21に下北沢のクラブ251でライブをやった時の話。その日のライブはイベントだったため打ち上げには全バンドが参加し、メンバー入り乱れての賑やかな打ち上げとなりました。(ここで言う「熱い夜」というのは「熱く語った夜」ということでヤマしい意味はないので悪しからず)

 前から不思議に思っていたのですが、たくさんのバンドが参加する打ち上げで、初めはいろいろな席を渡り歩いていた人達も最終的には同じパート同士が集まってしまうんです。例えば、ドラマーだったらドラマーばっかりがひとつのテーブルを囲んで、「リズムがどうのうこうのう」とか、「自分の使っている器材はどうのう」とか語り出して。そしてそれが始まると他のパートの人は絶対に入れない「熱きドラマーズワールド」が出来上がり、それは朝まで続くのです。なんて言っておきながら僕も例外ではなく、気が付けばいつも周りにはボーカリストがいて、「いつ作詞してるの?」などという話になってしまうのです。

 そしてこの日も、全員に乾杯した後にたどり着いたのは、「グン」というバンドのボーカル、グンちゃんのところでした。彼もやはり熱い男で、よくよく聞いてみると一年くらい前に博多からひとりで上京し、東京でメンバーを集めたそうです。(やっぱり九州の人は熱い!)

 僕がまだ名古屋にいたころに抱いていた、東京という街へのコンプレックス。彼もまた同じように思っていたらしく、「夢を叶えるためにはどうしても行かなければならない」と一大決心したという、そんな話から始まりました。

 でもこの話の結末は「住めば都だよね」でした。「自分勝手に過剰なコンプレックスになっていただけで、やることはどこに居たって同じで、東京はただ便利な街なんだ」なんて妙に意気投合してしまって。その中でもグンちゃんは「下北沢」という街がすごく好きだと言っていました。これは下北のライブハウス出身ドミンゴスのボーカル、吉田一休も同じように言っていたことですが、「下北沢」には不思議な魅力とパワーがあるのだと。僕もこの日初めて下北でライブをやってそれを感じ取ることが出来ました。

 「大きな野望を持ったバンドマン達が集まって来て、それがこの街のパワーを生み出しているんだよ」なんてさんざん酔いも回って来たころ、こんなクサいセリフも恥ずかしがらずに語り合いながら「熱い夜」は明けて行くのでした。

 肝心のライブの方もバッチリでこの日が今年初めてのライブだったハニーハニーにとって良いスタートが切れたと思います。今年も熱いライブをいっぱいやって、熱い人達に囲まれて、熱い夜を過ごしたいと思います。

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