LOOP THE LOOP… 高橋との付き合いは小学校からである。音楽なんてものはしかたなく受けていた授業でぐらいしか接することはなかった頃だ。常に一緒だった。俗にいう「幼馴染み」というやつである。 中学の頃、何を思ったか、高橋がギターを購入した。最初はびっくりしたが、そのうち羨ましくなった。たとえ、ヘタクソだとしても人がなにかに打ち込む姿を見ると感動させられ、そして動揺する年頃だった。オレも「ヤリテー」とか思ったが、性格上、人と同じ事をするのが嫌なので、とりあえず、もがいていた。オレが女の子とフラフラしたりユラユラしている時も、彼は密かにギターを弾いてたのだろう。 高校に入って須川と出会った。オモシろいヤツだ、と思っていたら、半年ぐらいたって、彼(須川)はドラムが叩ける事を知った。カッコイイじゃねーか。そして羨ましいじゃねーか。そうして彼らは『バンド』というものを組もうと企んでいた。(ちなみにその時のベースは、中学の時からの友人で「ダメ人間」だと思っていたヤツだった。なのに…)愛媛県でも指折りの厳しい、バンド禁止の進学校でキミたちは……スバラシイじゃねーか、ヨシ、オレに歌わせろ、というかボーカルしか残ってねーやん。こうしてループ・ザ・ループの母体が出来上がったが、その頃は音楽というより『何か』がやりたいだけだった。 大須便り初登場ということで、どんなバンドでどんな音楽、という事を書こうと思っていたのに、やっぱり自分等の事(音楽)を文字で書くのは苦手である。ライブに来なさい。1月25日待ってるよ |
98年12月31日、まさに新しい年に変わろうという時、彼らはELLのステージの上にいた。新しい年に相応しく、1月21日に発売される新曲がメインのセットリスト、16のリズムが印象的なライブだった。でも本人達はこのライブのこと、新曲のこと、どんなふうに思ってるのだろう? ひさし(Vo・G)「あけましておめでとうございます、ひさしでーす。今日はホントにすいませんでしたー」 −そんな…99年は憂鬱な幕開けだったんですか? 太(Ba)「解散しまーす」 −えっ、もう頂点は極めた?インディーズの… 太「かんぜんせいは(小声で)」 −さ、気を取り直して、「泣いてチンピラツアー98」も終わり、どうでした?やっぱり泣いてチンピラでした? ひさし「そーね、喧嘩でパクられね、イキがって、最後はやっぱり泣いて終わったけどね。」 −98年にやり残したことは? ひさし「やり残したことはないって感じ」 −今度出るマキシの新曲の反応はどう?例えば今日のライブでは? ひさし「うん、最悪でした。」 −出てもいないCD最悪だったなんて書けませんよー ひさし「いや、曲はいいんだよ」 −昔からのお客さんは16のハネっていうのにビックリしちゃうんじゃない? メンバー「うーん」 −やっぱり今流行っているものをって意識した? ひさし「意識したわけじゃなくて自然に、自分の周りのヒップホップとかテクノとか、聴いていいと思って、こんなのやりたい、と思ったものはそのままやっちゃえって感じなんですよ。昔だったらヒネってヒネってやってたところがあったけど、今はストレートに、今やりたい音楽を4人でやる、ほんとそれだけ。でもそれでも出来上がるとやっぱりジェリーリーらしいんだよ。」 −そんなふうにバンドは進化していくのだけど、お客さんは昔とのギャップに困っちゃうのかな? ひさし「それもあるのかな…」 −他の地方は違うの? あゆこ「違う…北陸も九州もすごくノリよかったもんね」 −でもそんな歌詞が好きだっていうお客さんもいるわけだし… ひさし「もちろんそういう世界が好きだっていう自分もいるんですよ、自分の中に。でも俺らがやりたいのってライブじゃないですか、突っ立って見られててもつまらないじゃないですか、で、昔からのお客さんを突き放してくわけじゃなくて、抱き抱えてく感じで曲を作っているんだけど…今はノレる曲いっぱい作ってライブを盛り上げたいっていう気持ちでいっぱいなんですよ。今日とかも無理にやらんでもいいのに新曲やって失敗して(苦笑)」 −でも昔からずっと応援してくれる名古屋のお客さんに真っ先に聴かせたいっていうのはない? ひさし「それはあるな」 −名古屋ってどのバンドもやりにくい場所だっていうし… ひさし「その名古屋でがんばってきたのにな…」 −だいじさんも何か言ってくださいよ(実は今日一度もしゃべっていない!) だいじ(Dr)「でも…今日は楽しかったです…」 −(だいじさんが一番おきざりかも…)さあ来年の抱負は? あゆこ「マイペースでやります。」 −じゃあダイジくんも ダイジ「まあライブをたくさんやって…」 今度の新曲への自信のなせる技か?シリアスな話題になりつつも明るく、ギャグのキレも冴えていた。が、やはりお客さんの反応は気になったようだ。「デビューすると昔からのお客さんが離れてしまう」これはいつもバンド達の周りでまことしやかに囁かれることなのだが、果たしてどうなんだろう?バンドはいつまでも同じ場所にはいられない。でもお客さんはどうしても聴きたい歌がある。うーん難しい。ただ、バンドはやっぱりそれに曲で答えていくしかない。そしてジェーリーリーはその答えのひとつをくれそうだ。1月21日、彼らに抱き抱えてもらえるといいね。 |