好評連載
しゃちの部屋第31回

 オアシス、エアロスミス、Bz、スマッシュマウス、フレンズ、スピッツ、叫ぶ詩人の会、グローブ、ドミンゴス、etc…。今年僕が観たライブの数々!(対バンを含めたらもっと増えるが)どのライブにも鳥肌が立つ瞬間があり、今すぐステージに上がって参加したいと思える瞬間がありました。

 いつもライブ会場に入って開演までの間「よーし、勉強してやるぞ」と思っているのが、いざライブが始まってしまうと完全にお客さんになって大盛り上がりしてしまいます(やっぱり根っからのライブ好き!でもそんな単純な気持ちを忘れずにいたいです)。

 最近観たライブの中で特に良かったのが「叫ぶ詩人の会」と「ドミンゴス」です。この2本のライブは演奏が上手い下手とか会場がどうとかいう問題ではなくて、バンドの気持ちがとにかく伝わってきたのです。

 叫ぶ詩人の会は半年程前に起きたギタリストの不祥事の為に活動を休止していました。他のメンバーはギタリストの帰りを待っていたらしいのですが、彼は結局帰って来ず、でも解散はして欲しくないというそのギタリストの意思を受けての復活ライブでした。いつもよいライブを観ると地球を軽く一周してしまうぐらい心が動くのですが、僕はこの時、気が付いたらかなりの量の涙を流していました。たくさんのファンは彼等の復活を待ち望んでいて、それに答えようとするメンバーからは「心配をかけた」「待たせた」という気持ちがヒシヒシと痛い程伝わってくるとても緊張感のあるライブだったのです。

 ライブの最中ずっと、「僕が同じ立場だったらどんな気持ちなんだろう」って考えていました。僕もミュージシャンとして、音楽以外の問題で音楽を続けられなくなる辛さは分かります。「お前らは絶対に同じことをするな!」と何度も叫ぶVoドリアンのメッセージにどこからともなく涙が流れてきて、そして会場は揺れに揺れました。ライブの後、僕の心に残ったものは「音楽をやっているすばらしさ」そして「生きていることの幸せ」でした。
 
 もうひとつはドミンゴスです。ハニーハニーとはメンバーの年齢もデビューした時期もそれほど変わらないほとんど同期と言えるバンドで、僕がやっているラジオ番組の違う曜日を担当している関係で気軽にライブに足を運んだのですがこのライブで本当の意味でのライバルを見つけました。

 そうです、ライバルというのは尊敬出来なくてはライバルではないのです。デビュー間もないバンドがあふれかえっていて壮絶なサバイバルゲームのこのミュージックシーンで「ひとつのミスも許されない」「絶対羽ばたいてやる!」という気持ちが一直線に心に突刺さって来るライブを見せつけられました。「俺達だって負けてない!」と思いつつも、どこかくやしいようなうらやましいようなそんな気持ちになったライブを観たのは初めてでした。今度は僕達のすごさを見せつけてやろうと思いました。

 10月中旬のライブツアーでは何ヵ所か一緒に回ることが決定しています。「俺達は絶対に負けねーからな!待ってろよドミンゴス!」と、ちょっと熱くなってしまいましたが、どちらにしても良いライブというのは観ている最中は我を忘れ夢中になれて、終わった後には大切な何かが残るものだと思います。僕はライブをやる側として、そんな気持ちが伝わる様にもっともっと頑張ります。CDだけで満足できないぜ、もっとライブを観ようぜ!

 今回、本当ならうまれて初めて観たライブの衝撃も書きたかったのですが、スペースが無くなってしまったので、続きはまた来月に!

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