社説

能無しがCDを作る現実


CDは最早誰でも出来る。能があっても無かっても。昔々はデビューとかレコード出すとかそれはそれは大変な事だった。そんじょそこらの素人では夢の又夢。デビューは夢だった。CDに値打ちがあった。

 ところが昨今はインディーズブームどころかCDRなんてぇモノまで出てきて原価は百円か二百円かそこいらで誰でもCDが作れちゃう。誰だってMTRとかに適当にコードつないでジャラーンとやればすぐ出来上がり。おかげで世間にゃ訳のわかんねぇCDが一杯で、今日びの若けぇモンCDくらいで見向きもしねぇ。デビューくらいで踊りもしねぇ。

 分かってるんのか音楽業界、自分で自分の首締めて、原盤費削減ワンショット、雀の涙のレコーディング費用で安かろう悪かろう。でももしも当たったらもう一枚ね。売れなきゃダメねハイさようなら。宣伝費もかけませんかけられません。だって予算も無いし何処に使って良いのかわからないんだもん。

 メジャーまでもがインディーズのフリして金かけずにCD乱発し出した。只でさえ素人がやりたい放題のインディーズにメジャーまでが金のかかってない(金が無い)インディーズで乱入するもんだから、さすがの外資系レコードショップももうパンク寸前。誰もアーティスト名すら覚えられない。音は悪いわ曲は悪いわ歌は下手だわライブ出来んわアレンジ喰えんわ、みんな今月の新人というクソの山に埋まってる。

 これだけ大量に出てくると本当に光ってるダイヤモンドも見つけられない。ライブをやってお客さんがついて来ないなら、そんなバンドのCD出したらあかん。大人が訳知り顔で頭ごなしに昔話押しつけても肝心のCD買うお客さんがいなきゃオヤジの自己満足。時代は変わる。

 でもバンド君ももう少し歴史と音楽を勉強しよう。そしてその上で否定して前に進もう。答えは何時もステージの上にある。