plentyというバンドがいる。バンドの最小単位、3ピースという形式から紡ぎだすシンプルな言葉とメロディが不思議と心に入ってくる。既に完成されたバンドにも見えるが、一方でとてつもなく未完成なんじゃないかという気もする。とにかく何か心の琴線に触れてくるバンドなのだ。名古屋でのライブ、3回目にしてワンマンライブをell.FITSALLで開催する彼らの秘密を探るべく、作詞、作曲を手がけるボーカルギター、江沼 郁弥にインタビューを試みた。 ―plentyというバンド名はどういう意味なんですか?辞書で調べたら、豊富とか繁栄とかって意味が書いてありました。 江沼:「えっと、それは言葉の意味とかではなく、地元に「ぷれん亭」っていうパフェが大きいお店がありまして、ライブをするってなった時にバンド名が必要ってその時初めて知って(笑)それでベースの新田が、『昨日俺ぷれん亭いってパフェ食ってきたよ〜』っていってて、じゃあそれにしようって事で英語表記にして『plenty』になりました。」 ―メンバー3人はどういうつながりで一緒にやる事になったんですか? 江沼:「元々中学校の同級生なんですよ。文化祭でバンドやろうよって俺が声をかけて、もう1人女の子がボーカルでいたんですけど。」 ―あ、最初は歌ってなかったんですか? 江沼:「そうですね。最初俺はボーカルじゃなかったんですよ。それで、途中まで4人でやって、高校卒業と共に3ピースになって。」 ―その頃からオリジナル曲をやってたんですか? 江沼:「中学校の時はコピーをやって、しばらく活動してなかったんですよ。それで、高校2年の冬ぐらいから活動を始めたんですけど、その時も最初はコピーをやってて、段々オリジナル曲を増やしてく、って感じでしたね。」 ―plentyの曲ってCDを聴いていたり、ライブを観ていると凄く歌詞が飛び込んでくるんですよ。だから、いつ頃から表現する事を始めたのかなって。元々そういういいたい事、表現したい事が内側にたまってたんですか? 江沼:「そうですね。いろんなアーティストの曲とかを聴いていて、あまり感動、というか共感みたいなのをあんまりした事がなくって、それでもっと。。。もっとこういう感じなんだよなぁ、っていうのがあって、それが言いたくなって、というか。」 ―自分で歌おう、と。言葉の使い方がすごくオリジナリティがあるなって思うんですが、どんな時に曲って出来るんですか? 江沼:「そうですね。家とかでギター弾いてて、このコードいいなって思ったらそのまま作りだしちゃいます。」 ―曲と歌詞ってどっちが先に出来るんですか? 江沼:「最初はコードっていうか曲からですね。コード進行が出てきて、スタジオに入って構成を決めて、一緒に大体のメロディを付けるんですよ。そこから歌詞を作って、歌詞によってメロディが変化したりしていきます。」 ―その歌詞の内容なんですけど、自問自答しているところが多い気がするんですが、今plentyって急激に広まっていっていて、表現したものを聴いてくれる人が増えた事によって江沼さん自身に変化があったりとかはしますか? 江沼:「そうですね、変わった事はそんなにないんですけど・・・そうですね。思ったよりも伝わったなっていうか。ちょっと難解かなっとか思っていたので。言っている事とかが。ただ暗いって思われがちかなって思ってたんですけど、割とそうとっていない人もいて、それはびっくりした、というか、あーよかったなって。わかってもらえるんだな、っていう自信にはなりましたね。」 ―たしかに今の音楽シーンってすごくシンプルなものが割と主流ですもんね。そういうものからしたらカウンターなのかもしれないですね。でもそんなに難解なイメージじゃなかったですけどね。すごくシンプルな言葉で伝えてるなって。 江沼:「言いたいことはすごくシンプルに言いたいし、言ってるつもりなんですけど、それが逆に変な風にとられんじゃないかなっていうのがあったんですけど、割と伝わったというか、伝わっているんじゃないかな、と。」 ―ライブに関してお聞きしたいんですが、ライブは好きですか? 江沼:「好きですね。」 ―初めて観た時にその完成度にびっくりしたんですよ。すんごく沢山ライブをやってきたのかな?と思ったんですが・・・ 江沼:「いっぱいライブをしたっていうよりは1回1回で濃い内容のものをやろうやろう、とはしていたので。ライブハウスの、平日のいわゆるブッキングライブとかでも、ライブ前のリハ、ライブ当日、終わってからと、それぞれ話すというか、今日こうだった、とかこうしよう、今日のテーマはこう、みたいな感じで1本1本やっていたので・・・」 ―これは太字で書いて名古屋のバンドマンに読んで欲しいですね(笑)今度リリースを受けて、ワンマンツアーがありますが、ワンマンに向けて最後にオオスプレスの読者へメッセージをお願いできますでしょうか? 江沼:「特に派手な事をするわけでもないですし、特別な事をやろうって感じではないんですけど、どっぷり浸かっていってもらえたらな、と思います。」 |
plentyの次回ライブは・・・ |
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