X.Y.Z.→A

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みなさん、X.Y.Z.→A(エックス・ワイ・ズィー・トゥ・エー)というバンドをご存知だろうか?Vo.二井原実(LOUDNESS)、Gt.橘高文彦(筋肉少女帯)、Ba.和佐田達彦、Dr.ファンキー末吉(共に爆風スランプ)と、それぞれが輝かしいキャリアをもって集まったスーパーバンドにして、その音楽性もひとえにハードロックとか、ヘヴィメタルであるとは言い切れない唯一無二のものである。今回、5thアルバム『WINGS』の北米リリース、そして新曲2曲を含む2枚組ベストアルバム『A to Z』の発売、それを記念してのツアー【ASIAN TYPHOON TOUR】でここell.FITSALLにもやってきてくれるということで、Gt.橘高文彦に緊急インタビューを試みた。

─結成9年目になるかと思うんですが、改めてX.Y.Z.→Aというのがどんなバンドかを橘高さんから紹介していただけますでしょうか?

橘高:「X.Y.Z.→A は1999年に結成されたんですが、Vo,の二井原実がその前にやっていたSLYというバンドが活動休止になりまして、ソロアルバムを作ろうかなってなった時に、爆風スランプのドラマーのファンキー末吉に「手伝ってくれないか」と声をかけたのがそもそものバンドの立ち上げになるんですが、丁度僕もその頃に筋肉少女帯を活動休止して、その後一度脱退したっていう時期だったんですよ。そんな事もあって、そのソロアルバムに参加しないかって話が来まして。実は、その3年ぐらい前にも二井原さんのソロアルバムに曲を書いてくれないかって話がありまして、何曲か書いたりしてたんですが、結局出さない事になったっていう経緯がありまして、「なるほど、じゃあこの前書いてた曲をもっていこう」ぐらいのつもりで僕はいたんですけど、持っていって音を合わせてるうちに、ベースも爆風スランプの和佐田さんでやってみようか、となって。そうしたら、爆風スランプも丁度その頃活動休止してたわけですね(笑)みんなが活動休止した状態で、じゃあ次どういう展開でミュージシャンのキャリアを進めていこうか、と考えてた時に、たまたま集った4人だったっていうのがこのバンドでして。それでバンド名「X.Y.Z.→A」の「Z→A」の部分、「Z」から「A」になっているんですけども、まさにこの気持ちだったんですよ。「Z」にキャリアが一回いっちゃったような、ポカンと心に穴のあいた様な4人が集まって。バンドというものに多少疲れてた、というのも正直みんなあった時期だったんだけど、もう一度「でもバンドっていいじゃん。俺らバンドだよね」っていう風になってきまして、じゃあ二井原実のソロアルバムというよりも、もう一度初心に戻るようなバンド活動を、このメンツで始められたらどうだろうって事で、じゃあバンドでやろうぜってなったのが1999年で。「Z」で終わってたら終わりっぱなしですから(笑)、もう1回「A」に戻ろうかと。丁度世紀末で、21世紀がくるのかっていわれてた時代でもあって、ダブルミーニングなんですよ「Z」から「A」っていうのは。20世紀から21世紀へ駆け抜けていけるロックバンドになれればいいなっていう事が、イコール僕達が「A」に戻る事とも一致したんでバンド名を付けたんですよ。 」

─それぞれが一度頂点まで到達した4人ですが、X.Y.Z.→Aでは音源、ライブ共に、より自然体で音楽を表現している気がするんですが。

橘高:「やっぱりバンドっていうのは集まったメンバーでの化学反応だと思うので、例えば僕ら4人でLOUDNESSみたいにしようと思ってもならないし、しようとも思わないですよ。みんなから自然に出てくる化学反応みたいなもので、どういうものが出来上がるのかっていうのは楽しみにしてて、とにかくバンドを組んで直ぐ、100本ツアーっていうのをやりまして、寝食を共にする間に段々固まって出てきた化学反応の形っていうのは、やっぱりそれぞれの過去のキャリアのどれでもなく、それでいて、それぞれのファンの人が聴いてもわかって貰えるという面白い形ができたと思いましたけどね。 」

─今回、「WINGS」が北米で発売になって、ベストアルバムも発売になりますね。

橘高:「今までドイツ、フランス、東南アジアではリリースがあったんですが、アメリカがずーっと契約とれなかったんで、一つそれが達成できた事を日本のファンの皆さんに先に報告して、これから時間かかるかもしれないけど、アメリカでも頑張っていくよっていう挨拶のツアーをしたいな、と。それで、この機会に興味を持ってくれた人が、今までのX.Y.Z.→Aを聴きたいと思った時に、ベストアルバムというのは今まで出した事がなかったんで、是非出したいな、と思いまして。 」

─最近話題の二井原さんのブログで新曲の事も読ませていただきまして。

橘高:「あ、ブログですね(笑)新曲は、X.Y.Z.→Aの中でアホみたいなパーティーロック的な部分というか、そういう陽気な部分が全面に出たロックンロールナンバーが1曲と、もう1曲はヘヴィメタルアンセムみたいな正統派な曲の2曲を新録して、それでいて、今までの代表曲を網羅したら2枚組でパンパンでしたね。曲を削る作業の方が大変で。楽曲への思い入れは人それぞれ違いますからね。それで、自分達でも色々思い出しながら振り返ってまた新鮮な気持ちになれてますんで、ツアーも最初のツアーの時みたいな気分で挑みたいなって思っているんですけどね。 」

─では今回のツアーはX.Y.Z.→Aのベストセレクション的な内容になるんでしょうか?

橘高:「そうですね。この9年間の総括みたいな、それでいて最新のこの2曲の新曲はライブでも是非やりたいですしね。 」

─それではそんな名古屋のファンのみなさんと、まだX.Y.Z.→Aをまだ観たことのない方にもメッセージをお願いします。

橘高:「また名古屋に無事戻れる事ができますので、是非、遊びに来てください。その際にはベストアルバム『A to Z』を聴いて来ていただければ、この日のライブは最初から最後まで楽しめるんではないでしょうか、と思っております。是非、盛り上がりましょう! 」


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