Gargoyle

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―今回のツアータイトルですが、受胎(名古屋)→胎動(大阪)→胎児(東京)と、回を重ねる事に受胎したものが成長していってる辺りが、とても新鮮なアプローチのタイトルで興味深かったのですが、このタイトルにはどんな意味合いが込められているのでしょうか?

KIBA:「このツアーが終わった後にですね・・・思いっきり爆裂したいな、と(笑)。そのための気持ち的な助走といいますか、東名阪を周って力を蓄えよう!と思いまして。 」

―このツアーの後に爆裂ですか・・・意味深ですね。2008年初ツアーの1発目に名古屋を選んで頂いて、大変嬉しく思います。ところで、名古屋を1本目に選ばれたのは何か理由があってのことでしょうか?

KIBA:「この2、3年特にそうなんですけど・・・昨年の20周年記念ツアーの時には一度のツアーで2度名古屋でやらせて頂いて、その時なんかも名古屋のお客さんの盛り上がり方、というか、角度が今の僕らにピッタリくるんですね。それで、このツアーを周るにあたって、一番いいスタートが切れるのはきっと名古屋だろうな、と思ったので。 」

―受胎をするためには一番元気の良い場所から、ということですね。ところで、ツアーを周るとなると音源等の発売を兼ねて、というイメージが個人的にはあるのですが、今回は特に予定はないということで・・・今回このツアーを企画したきっかけ・狙いはどこにあったのでしょうか?

KIBA:「ツアー終了後に音源も出せればいいな、と考えてはいるんですけど。僕らは20年間ライブを中心にやってきたので、まずはライブで色んなことをやってから、音源にも反映させたいと思って。曲に関してもライブで試せることがあれば、やってみようとも思ってます。 」

―ということは、まだ見ぬ曲が今回顔を出す可能性も・・・

KIBA:「えぇ、出る可能性はありますよ。あと、音源発売のツアーだと色んなGargoyleを見せたくても、どうしてもその音源中心に組み立てていくことになるので、焦点を絞った感じになってしまうんです。なので、色んなGargoyleを見せることができる、音源発売ではないツアーも僕らは大好きなんですよ。きっと、新旧を織り交ぜた、バラエティーに富んだライブになるんじゃないかな。 」

―このツアー1発目の名古屋ライブ。どんなイメージをお持ちでしょうか?

KIBA:「僕ら20年やっていて、ほとんどのライブがその日にならないと曲を決めないんですよ。それは、その日1番やりたいことをやろうってのもあるし、色んなことを決めて臨むと、本番までにイメージが出来上がってしまって、その場で感じたことよりもそのイメージが優先してしまうのが怖くて。どこか危うい、どっちに転ぶのかわからないところがあるのがGargoyleだと僕は思っていて。作り上げられたエンターテインメントの良さを持ってらっしゃるバンドの方もいらっしゃいますし、それはそれで素晴らしいことだと思っているんですが、Gargoyleは違うタイプなんじゃないかなって。 」

―20年間やっていらっしゃると、良くない方に転んでしまったことも・・・?

KIBA:「もちろんあります(笑)。急に決めた曲で歌詞が飛んでしまったことも・・・その時は、『間違えた!』って素直に言っちゃいますよ(笑)。そうなっても、その場の空気、お客さんの雰囲気を大切にしたライブをやれてればOKじゃないかと思ってるんです。 」

―21年目に突入されたGargoyleさんですが、この年月の中で、変わったこと、あえて変えてきたこと、また、変わらずに突き通していることは、御自身ではどの様なことがあるとお考えでしょうか?

KIBA:「変わらないことで言えば“こだわらないこと”。年月を経るに従って、『Gargoyleとはこういうものだ』ってイメージが固まってしまうのが怖いし、過去の再生産的になるのも怖くて。“こだわらない”で、その時々にやりたいことをやっていれば、いつも自分の新しい部分が出せて、表面的には変わっていくでしょ。だから、見たり聴いたりした感じでは、変わったり・・・戻ったりもして、迷走してると思います。逆に、表面じゃなく“こだわらないことにこだわる”という芯の部分は、ずっと変わらずやれてるんじゃないかな。 」

―今回のツアーとは話がそれてしまいますが、KIBAさんの書かれる詩は、意識的にか無意識的にか、普段目を背けている事の本質・人間の本質をバッサリ切って、丸裸にされる感覚に陥ると個人的には感じるのですが、詩というものに対してのKIBAさんのお考えを伺えたらと思います。

KIBA:「僕は、自分の書いた詩を色々な人に読んでもらえる、という場を幸いにも持っているでしょ。そこで大切な事以外の事を言うのなんてもったいないと思っていて。例えば、耳ざわりの良いきれいな言葉や、架空の恋愛話を、そこで書くのなんてもったいない。自分が生きていく上で大切だなと思うことだけを伝えてたくて。それって、どうしても本質的なことが多いんですよ。だから、他にも僕と同じくらい良い歌詞を書く人はいてもおかしくないですけど、大切なことだけ伝えてる僕の歌詞が他の人より劣っていると思ったことはないです。そこまで自分で信じられる詩しか、外には出していないので。 」

―もう1点、個人的にお伺いしたいことを・・・。Battle Gargoyle(激しい曲だけをやるGargoyleのバンド内コンセプトバンド)の活動の予定はないのでしょうか?

KIBA:「今度Battle Gargoyleをやるなら、必然性というか・・・何となくBattle Gargoyleをやるんじゃなく、その時にしか出来ないような新たな形でやりたい、と思っています。 」

―Gargoyleはもちろん、Battle Gargoyleの活動も楽しみにしてます! それでは最後に、『オオスプレス』の読者と、名古屋のお客様に1言お願いできたらと思います。

KIBA:「20年以上止まらずライブをやってきて、やればいつも誰かが観に来て下さってくれて・・・それは、Gargoyleを必要としてくれている人が20年間いつもいつづけてくださったということだと思うんです。僕らにとってそれは最も誇り思ってることで。必要だと感じる人が20年間いつづけた理由みたいなものを、今回のライブで感じてもらえれば、と思います。

残念ながら、この段階では発表のできないこともお話してくださいました。余りの興奮に、書いてしまいたい衝動を抑えるのに必死です・・・。2/23(土)のライブはもちろんのこと、ツアー後の活動からも目が離せません! KIBAさんの詩が示す人間観・世界観。1人でも多くの人がKIBAイズムに触れてくれることを、私は心底願っています。そこのあなた!!ほんと損してるから・・・

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