plane

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これはもうバッチリでしょう。約一年半振りとなるplaneの2nd Album『localizer』。例えば、サザンやミスチルを語る時、そのあまりの王道っぷりで、オリジナリティを問われても困ってしまうように、僕にとってのplaneもまた、良い意味でいつもギターロック界の王道でした。だけど今回のアルバム、路線は今までを継承しつつ、明らかに全てにおいてクオリティがハンパなく飛躍してます。ミスチルみたいなバンドが、ミスチルになっちゃったくらいに化けちゃってます。つまりはあり得ないって事です。うん、あり得ない。さすがにこれには、いつもお悩みモードの菊地君も手応えを感じてるだろうって事で、名古屋某所にて対面インタビュー。菊地君、これバッチリだよ!!!!!


―いやー、出ましたね決定打が。御自身ではどうですか??

菊地「あ、ありがとうございます。作る時に展開とかを多くしないで、シンプルにっていうのがテーマであったんですけど…。で、10曲入り46分っていう長さにして。後、19〜20歳の頃の曲を新しくやり直してみたり…。今までは、けっこうアレンジを悩み過ぎたり、プリプロをやってる時もいっぱい作り過ぎちゃったりしてたから。 」

―シングルの『arrow』の時にもインタビューしたじゃないっすか??そん時に凄い良いから、バンドの調子も良さそうだし、「まだまだ隠し玉あるんじゃないの〜??」とかって聞いたら、「とんでもない。いっぱいいっぱいです。」とか言っててさー。

菊地「(笑)」

―したら、その後にバンバンさらに良いシングルが出てきたじゃん。完全に騙されましたわ(笑)曲はその直後に出来てきたって事で(笑)

菊地「そうですね、『はなればなれ』は去年の12月くらいに合宿に行って、そん時にデモテープ、というかスタジオの流し録りなんですけど…。それで何曲かあったうちの一つで。後はライブで演ってた曲だったり、昔からの曲で、今はどんなのか覚えてないような…、Bメロだけ覚えてるだとか、イントロだけ覚えてるだとか…。それを今の僕等が作り直した感じで。1曲目の『炭酸少年』なんかはイントロだけがあって、正直Aメロとかは忘れちゃってて…。で、入れ始めてから思い出してきたんですけど、全然違うものになりましたね。 」

―今回はまた、打ち込みっぽいキーボードが入ってたり、アレンジもとても幅広いんですけど、その辺も意識してました??

菊地「『花火』の時に初めて、声をゆらがせる、いじるってのをやったんですけど、それの延長線的な作品にはしたいなぁと思ってて。例えば『signal』って曲は昔からあったんですけどデモテープで、ある程度打ち込みだけで作ったんですね。プロデューサーの大野君(PARABORA)と。そしたらデータが飛んじゃってですね…。 」

―えぇー。

菊地「で、もう一度作り直してたら、Bメロとかメロディが変わったり…。オケはそのままだったんですけどね。なんかテンションが高かったです。『discoもう会えない』とかもAメロがこんな風になるとは思ってなかったんですけど、それでテンションがアガッテって、出来るスピードも上がってったっていうところはありますね。 」

―『discoもう会えない』とか完全にダンスミュージックだもんね。

菊地「バスドラの音とかもけっこうイジりましたね。」

―シングルからの流れで、大野君がサウンドプロデューサーやってますけど、やっぱりやりやすい??

菊地「そうですね。価値観も似てたりするし。彼もヴォーカリストなのでね。高津さん(エンジニア)も、一人で歌録りをしているっていうよりは、聴いて貰いながらなので、そうゆうとことか…やりやすいですね。 」

―前聞いた時は、大野君は相談相手だって言ってましたけど。

菊地「うん。相談相手…。まぁ友達ですよね。歌詞の話しとかしてても、脱線すると『何で音楽やってんの』っていう話しになったり。仕事としての音楽、そうじゃない音楽。僕はそうじゃない部分が大きいタイプなんですけど…。だから、音楽がどう成り立ってるのかを勉強させてもらったりしてますね。後はこうゆう音を入れて欲しいとか…。『signal』とかはほとんど大野君の家でやったんですね。最初バンドがどこまで入るのか…。ドラムとかほとんど入らないんじゃないかと思ったんですけど、いざ始まったらこれがけっこう早くてですね。皆、録るのが。後、『ヴォーカルだけやから』みたいな感じで。歌詞を書いてる間に、生ドラムをさりげなく足したり。良いバランスになりましたね。 」

―歌詞の話も聞きたいんですけど、どの曲もすごく赤裸々で、主人公がとても弱いじゃないですか??で、その後に必ず前に進むんだっていう希望が歌われてますけど、ここまで弱さを前面に出すバンドも珍しいなと。歌詞カード読みながら聴いたんですけど、すごく情けない内面とかも、赤裸々に出してるし。

菊地「まぁ、僕自身がとても弱い人間ですからね。」

―ていうか、いつも悩んでるよね。(一同笑)自分に向けて歌ってる部分もあったりするんでしょうか??

菊地「もちろん、それもあったりします。本当はもっと明るい曲にしたいなぁと思ってた曲もあるんですけど。『signal』とかね。でもいざ歌詞を書き出すとそうはならなくって、『花火』とかもそうですけど、やっぱり他の曲と同じように悩んだ感じになっちゃうんですよね。 」

―良いと思うけどね。ダンスミュージックでこうゆう歌詞ってあんまないからさ。凄いオリジナリティになってると思うけど。この流れで最後の『象の目』で一番ポジティヴになるっていうか、『この世界は素晴らしい』っていうフレーズで終わるのがね、本当にグッと来るんだよなぁ。この曲順は最高だよね。

菊地「『象の目』を最後にしようっていうのは、皆で決めてましたね。これも19〜20歳の頃の曲で、ライブでは演ってたんですけど。3連の曲はメンバー皆、大好きなんですけど、なかなか録音まではいかなくて。そうゆう昔の曲をもう一度見直せれたのは、今回本当に大きいですね。 」

―では10月26日(金)のFITSALLに来るお客さんにメッセージを…

ELLスタッフ「あの、ライブの内容とかもっと…」

―いや、それは前回けっこう掘り下げたんだわ。

ELLスタッフ「いや、あのー、一応ライブハウスのインタビューなんで…」(一同爆笑)

―いやいやいや、アルバム聴けば、絶対ライブ来たくなるし、今回は作品推しましょうよ。なんかねー、凄く真っ当に良いからいっぱい売れれば良いのになーって客観的に思っちゃったんだよなぁ。

菊地「うわー。ありがとうございます。ツアーが名古屋からっていうのがね、初めてだったりして。アルバムが出てからすぐなんですけど。今回、アルバムが出来るのが凄く早かったからかもしれないんですけど、スタジオでアルバムの曲を練習してても、メンバー全員、曲順も含めて凄く見えてるというか、イメージ出来てるんですね。普段だと、ライブで出来るか不安だったりもして(笑)、演奏に納得してないメンバーがいたりとか…。そうゆうのがないですね。で、アルバムを聴く時間があんまりないかもしれないですけど、初めて観る人でも、リズムで身体を揺らせるような感じにはしたいですね。」


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