6月14日(火)@ell.FITSALL.AIR DRIVE

 ダ、ダ、ダ、ダ。暗転した会場にバスドラの4ビートが響く。ベイビーズのライブが始まる。高まる感情。ドラムに合わせてギターのリフとベース音が徐々に絡み合ってゆく。降りそそぐ赤い光。形をなしていく曲。「ベッドに替わるビートに乗せて〜」、1曲目は『ロマンティックなスピードで』だった。思わずリズムに合わせて体を揺らしてしまう。Vo.シュンスケの叫び声にもメロウな甘さが漂う。ベイビーズを初めて見る僕ですら、一瞬にして彼らの雰囲気に引き込まれていく。

 Vo.シュンスケは元zoophilia。Ba.ハルナとDr.リエは元SOFTBALL。かつてインディーズで活躍していたロックンロールバンドとパンクバンド。そんな2バンドが融合したベイビーズは見る者をひきつける魅力を放つ。ライブが進むにつれて彼らの雰囲気に引き込まれていく。

 ベイビーズの攻撃的な高速ビートに気持ちはますます高まり、視線はパワフルな演奏から離れない。懐かしさを感じるロックテイストな音楽で、ライブハウスに散らばった心と視線をまとめていく。

 MCでは、ベイビーズの前に出演したPONI-CAMPのボーカル、個性あふれるエナポゥに対して俊介が一言。「エナポゥ、狂っとるな」そして彼は続けて言った。「次の曲は、『狂っとる』」新曲だった。早いビートに、ハルナとシュンスケの指がなめらかに弦の上を踊る。曲に、リズムに、演奏に。圧倒されるばかり。お客さんも負けじと歓声をあげる。
次の曲は『不眠症の出無』。何だ、フミンショウノデブって?思わず笑ってしまうタイトル。

 ベイビーズの魅力の一端が見えた。心の底で渦巻く情熱を荒々しく表現するのではなく、あえてクールに演奏する。そんな姿にかっこよさを感じる観客の期待をいい意味で裏切るシュンスケの名古屋弁MC。届く音楽に温かさとおもしろさを感じるのはベイビーズの人間性が音に滲みでているから。そんな気がする。

 「10代の頃を思い出して書きました」そう言って再び新曲を披露するベイビーズ。悪ぶった若者が抱くちょっとセンチな感情だったり、大きな夢に向かって走り抜ける姿であったり、汚い世界に対するやるせない思いであったり。それをベイビーズにしては静かに、柔らかく歌う。かっこよさだけじゃない。

 突然シュンスケがしゃがみこみ、ギターを静かに弾き始めた。静かな会場に流れるギターの音。彼が徐々に立ち上がる。と同時に重なるベース、ドラム。そして、じわじわと早くなるテンポ。迫りくる音の波に高ぶる感情。会場のボルテージも上がっていく。曲は『少年ナイフ』。スローテンポからの転調に鳥肌が立つ。そしてラストはインストの『忌々しき日々』。オールバックのようなウルフヘアーを乱しながらシュンスケがリフをかきならし、ハルナがベースを操り、リエがドラムを叩く。赤く妖艶な空間の中で演奏するベイビーズは孤高の狼のようにカッコよかった。好きになるというより惚れてしまう。そんな感情を抱くベイビーズのライブ。今度彼らが来るのは7/21。この日はベイビーズのかっこよさに触れて、惚れてほしい。

インフォメーション
 

7月21日(木)@ell.FITSALL
SUMMER TIME POP
with After the Gold-Rush、カプセルワゴンスクイジー、UNDER THE COUNTER oa:empty roll

open18:00 start18:30
前売\2000 当日\2500(without drink)
Ticket Now on Sale!!

 

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