
インディーズアルバムの中の1曲でしかなかった「とある曲」がラジオでのオンエアで話題を呼び、某ラジオ局の総合チャートで10週以上ランクイン、急遽シングルとしてリリースされる、というスマッシュヒットとなった。女性の言葉で、別れた相手へのやりきれない気持ちを歌ったその歌は、反響の大きさから、今年5月にはメジャーから再びリリースされ、より多くの人の耳に届くことになった。The
LOVEの「再会」という曲だ。
The LOVEは1997年にメジャーデビュー、2000年には活動の場をインディーズに移していた彼らだがこの曲をきっかけに今年再びメジャーデビューとなった。今の音楽シーンで1度「メジャー落ち」したバンドがこのように再び注目を集めるのは非常にめずらしいことだ。しかし、「音楽をやる」ということに限っていえば、その場がメジャーだろうがインディーだろうが、関係ないのかもしれない。正しいと思ったことをやる、良いと思った曲を演る、歩みを止めないこと。それを続けてきた彼らだからこそ、先述のようなドラマが生まれたのかもしれない。
今回はそんなメンバー3人にインタビューをお願いしたのだが、特別気負うわけでもなく、いたって自然体。最近の近況から、再デビューについて、そして8月8日に控えているワンマンのことまで、色々話を伺うことができた。
―CDリリースが続き、インストアやイベントライブなど、お忙しそうですね!
平 「そうですね、忙しいのは久しぶりなので(笑)、すごい嬉しいです。」
内田 「いや、あの、暇な期間が長かったので(笑)」
―何でそんなことばっかり言うんですか!
(一同笑)
―メンバーさんの方から言って頂いた「暇な期間」なんですが、それを経て、メジャーで再リリースってこのご時世、非常に珍しいことですよね。
平 「正直に嬉しかったですね。ベスト盤が出せるってことは、今までの曲をリセットしてもう1回聴いてもらえるってことであって、やってきたことが無駄じゃなかったな、と。」
内田 「最初にデビューした時はただ嬉しい嬉しいというだけだったけど、自分達も年をとってきたし、今では色んなことを考えての再デビューだから、こう、『ただのデビューじゃないぞ!』って(笑)。」
中村 「それ、いやな熟練さ加減だよね(笑)。でも、嬉しいか嬉しくないかっていったらそりゃ嬉しいですよね。色んな人に聴いてもらえる場が与えられるという意味ではメジャーの方がその場が広いわけだし。ただ、自分たちがやってきたことはずっと変わらないので、今回のデビューっていうのはそれ自体が目標っていうんじゃなくて、やってることが目標、という感じですね。」
―どんな時であっても、やるべきことをやってきたぞ!っていう打たれ強さがLOVEにはあると思うんですが。
平 「弱いですね(笑)。打たれ弱いですけど、やっぱお客さんがですね、支えてくれたっていうのがありますね。あと、スタッフとか心強い仲間がいたっていうのは大きいですね。」
―じゃあ「俺、打たれ弱いなー」って思う時は?
平 「イジケますね。すぐ数字とかにめげますから(笑)。」
内田 「口癖が『売れてぇー』ですからね(笑)。」
―正直ですね(笑)。でもこのまま正直話ばかりだと記事にできないことばかりになってしまうので、矛先を変えて…再びメジャーでリリースとなるきっかけとなったシングル曲「再会」の曲の中身についてお聞きします。女性の言葉で歌い上げるまさに「LOVE」ソングで、長い間ライブで歌ってきた曲なんですが、今現在ではどういう視点で歌われてるんですか?
平 「女性視っていうのはあくまで方法論であって、自分自身が男性として、男の中の女々しさとか弱さを表現するために使ったまでで。ライブでは男だから、女だから、というのではなく、もっと根底にある「気」をどうやって目の前のお客さんに伝えるかっていうだけですね。」
―LOVEの楽曲は、ずばり「愛」がテーマであっても、ありがちな「ヤラシーっ!」って感じにならないところも強みですよね?
内田 「やっぱりデビューしてしばらくたった頃は、そういうのを意識したりしてましたね、自然とそういう方法ができてきたのか、今はそんなに考えなくなりましたが。」
中村 「その時々の音楽の流行りものなんかが、クサく聞こえたり、狙って聴こえたりするのかなって思うんですが、自分たちは自然にやっているだけで不思議と『キモーッ!!(笑)』みたいなにはならないですよね。」
―そんな「LOVE」ソングをたくさん詰め込んだベスト盤も6/23にリリースされ、8月8日にはワンマンでELLに登場ですが。
平 「楽しみですね!バンドで来る久しぶりの名古屋ですし。ベスト盤が出たんで、ライブもベストというか、今までの集大成というか…新しいラヴを見せると言うよりは今までの総決算、こんなバンドですっていうのを改めて知ってもらおうと。それをやりきれたら次のステップに向かえるなと思ってます。ぜひLOVEの音楽に再会してほしいです。」
内田 「楽しめるライブにしようと思うんで、ぜひお友達を連れて(笑)来て下さい。」
中村 「名古屋大好きThe LOVEなんで、熱い名古屋にで、ぜひ一緒にライブではじけましょう!」
―8月8日のワンマンはこれまでのベスト的ライブになるとのことで、ずっとThe LOVEの曲を愛聴してきたファンにも、最近初めてThe
LOVEの存在を知った人にも必ず満足ゆく内容いなることは間違いない。すべての人にとっての普遍のテーマである「愛」を歌い続けてきたThe LOVE。ライブでぜひ彼らと「再会」してほしい。
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