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ザ・コブラツイスターズ、ell. FITS ALLでは1年ぶりのワンマンライヴである。昨年、ベストアルバムのリリースとツアー、Vo.川畑アキラのソロといった動きはあったものの、おととしの『コブラツイスターズV』以来、新作のなかった彼ら。待ちに待ったニューアルバム『薮蛇(やぶへび)』(7/14リリース)完成の勢いを駆り、リリース前にフライング気味に行われた東名阪ツアー『ジパング 三角絞め』の模様をお届けする。

この日の会場は漂ってくる期待感で一杯という感じ。コブツイの核となるのは、与論島出身のアキラから生み出されるどこかなつかしく優しいメロディーと詞、それを届ける声というように歌の持つ力であると思う。実際、CMで使われている「ゼロからの始まり」など、彼らの楽曲が流れると思わず反応してしまう。ライヴでは、琉球音階や土着的な匂いのする演奏が、歌の力を最大限に引き出し、ドメスティックなノリを生み出し、ときにハンパない爆発力を持つ。この日集まった客は、そんな彼らのライヴが発する強力かつ濃ゆ〜い磁場に惹きつけられてしまったコアなファンなのだろう。

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「骨になるまで」でライヴはスタート。“ハンパない爆発力”の印象が強かっただけに、淡々とした幕開けには正直肩透かしを食わされた、久しぶりだからなのだろうか、あまり温度の高い感じではなかったが、徐々にテンションを上げていき、曲が終わる頃には会場全体が拍手に包まれ、“おかえりなさいコブツイ”ムードになっていた。続いて、「土の子」、挨拶をはさんで「カモメと水平線」、と『薮蛇』からのナンバーが繰り出される。どちらも既にライヴで披露されているようで、客の反応もよく、特に「カモメと水平線」のイントロ、Gt.リーダーのストロークが鳴り響いた瞬間、会場は一気に沸点へ!それほどなじみの局ではないはずなのにこの盛り上がり!確かにタイトル通り、メロディー、曲調ともに“爽やか”で“広がり”があり、瞬発力と飛距離はコブツイの楽曲のなかでもトップクラスを誇ると言えるだろう。誰もが一発で好きになってしまうナンバーだ。サビではアキラとともに会場みんなが手を振り、歌い、一体となって、3曲目にして早くもクライマックスの様相を呈していた。MCでリーダーが『薮蛇』の力作ぶりをアピールしていたが、それも納得できる。

photoその後もライヴで定番の曲群に挟んで『薮蛇』収録曲が披露される。ミドルテンポな曲調の「黒潮の道」は、イントロや間奏でアキラの弾く三線が効いたり、サビで「はっはっ」、「えんやーさーさー」とリーダーのコーラスというか“合いの手”が入ったり、とコブツイのドメスティックな面が強調されている。アキラのハスキーで優しい声が活きており、みんなが穏やかなリズムに身を任せ聴き入っていた。そのままライヴはミドルタイムを経て、怒涛の5連発!まずは「運命船サラバ号出発」、第一音が鳴った瞬間、待ってましたとばかりに会場の反応の速度、大きさともに本日の最大値を記録。「はっはっはっはっ」とみんなの両手があがり、まるでお祭りのようで、バンドの演奏、お客さん、照明、全てが一体になった会場は壮観で鳥肌が立つほどだった。そうだよ、これがコブツイなんだよなー、始めに感じた印象はもうどこかにいってしまった。会場の手が東西南北に振られる「東西南北 日本の空」、『ドンブラコー!』のシャウトで始まった「七つの海を渡れ」、とたて続けにフロア大揺れの初期のナンバー繰り出され、「ガムシャラ人生」、「ゼロからの始まり」で最高潮のままフィニッシュ。

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photoすぐさまアンコールがかかり、登場するメンバー。本編クライマックスの絶頂とはうって変わってリラックスした展開。与論島の言葉で歌われる「マーブイユシ」では、名古屋弁や、与論島の言葉、リーダーの故郷:青森県の言葉でのコール&レスポンスで盛り上がり、バンドと客との結びつきの強さを再確認させられる。メンバーが引き上げ、終了を告げるBGMが流れるが誰も帰ろうとしない。やまないアンコールに応え、最後に名曲「夢の旅人」で終了。既に決定している次回、8/7のElectricLadyLandでのライヴが待ち遠しいが、それまで『薮蛇』を聴きまくって備えよう!

インフォメーション
 

コブツイ次回ライブ決定!
8月7日(土) @ElectricLadyLand
with Natural-HI!!、D'Soul Creation
open18:30 start19:00 前売\2000当日\2500(without drink)
7/1チケット発売!!

 

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