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歌のこり〜アンジー時代から現在まで、アコースティックで送る『残る歌』の数々

photo03年は厄年にも程があるだろう、プンプンといった有り様で、まったくもって棒にふってしまった。で、約11ヶ月休んでたわけだけど、13才でバンドみたいなものを始めて以来、こんなにライブをやらなかったのは始めてだ。カラオケすら1回しか行ってないもん。上田現を目の前に「ワダツミの木」をこれでもかと10回連続で歌ってやった、あの時だけだ。

復帰を前に、さすがに不安もあるが、期待もかなり大きい。ライブは水ものだから、どう転ぶか、何が起きるかやってみないとわからないけど、記憶に残るライブになる事は間違いない。

というのはね、今回のツアーは始めて自分自身でブッキングしてみたのよ。そうすると予想以上に色んなひとが助けてくれて、「ああ、俺には味方が大勢いるんだなぁ」としみじみしたりして、もちろん名古屋もそうで、つまりこりゃなんだか「はじめてのおつかい略してはじおつツアー」だなぁと思ったわけよ。そりゃ徳さんじゃなくても泣くさ。グッと来るよね。だからみんなにも、かっぽう着姿とか、出前持ちとか、できれば変装して来て欲しいね。俺にばれたら台無しだからね。

それと、最新アルバムの話を。「嘆きのばんび」以来18年ぶりに、中谷ブースカ&古くからの友人達と博多で作った。それに至る感動秘話とかあるけど、それは語らないつもり。でも、そこに渦巻いてた「思い」は形を変えて伝わると思う。これまでたくさんアルバムを作ってきた中で、どのアルバムが最高とか決められないけど、「思い」という点では今アルバムが一番だな。誰のためとか、何のためとかじゃない、正体不明の「思い」だけど。

ちなみに、当面はライブ会場のみでの販売に限るつもり。これからは、歌を作って、人前で歌って、アルバムを売るという事を、シンプルな作業としてやっていきたい。うどん屋がうどん作って売るみたいにできないもんかなぁと思って。

まずはとにかくライブだ。そこに何人客がいるかわからないけど、何人であろうとも今回だけはいるだけで感謝する予定。たとえ馬鹿でも卑怯者でも犯罪者でもやくみつるでも。だから、たとえ君が面白くないマンガしかかけないのに出たがりだったとしても、平気で見に来てくれ。大丈夫だから。 <水戸華之介>


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