徳重ハイ

こんなにエラそーな新人紹介が未だかつてあっただろうか？爆音かつブルージー、ダミーな声でつまらん日常を『やっちまえ』と歌い上げるハイテンションロックバンド、徳重ハイのことだ。別に態度がデカいとかそんなんじゃないんだが、トツトツと語るVoたけし丸の言葉の端々に表れてるエラそうな感じ。自分達に対する自信とも受け取れるその言葉の真相とは？まずはご一読あれ。

−早速ですが自己紹介を。

たけし丸「Vo.Gtのたけし丸です」
直樹「Ba直樹です」
たけし丸「ギターがタクロウ、Drたける、香川出身です（笑）」

−出身はみんなバラバラって聞いたんだけど。たけし丸は栃木なんだよね？

たけし丸「そうです」
直樹「僕は三重です。Gtも三重で。Gtとは小中高と一緒でまあ、体だけの関係なんで・・・」

−・・・流しますよ。何でそんなにバラバラの人が集まってんの？

直樹「元々はたけし丸が中心になって結成したんですが、Drの女の子と2人だけで始めて・・・母校である名古屋芸大の軽音楽部に遊びにきた時に、たまたま俺がベース弾いててそのまま釣られたって感じですね。それが初期徳重ハイ。そこからDrが2回変わり、Gtが入り、今の形になったというわけです。」

−君らのHPを見たら色々変なことが書いてあったけど。「日本を蘇らせる」とか…

直樹「それは当初からたけし丸が言っていたことで」
たけし丸「ロックはやっぱり革命じゃないですか。今の日本は商売がロックになりつつあるから、それを壊さないと、やっぱ生きてかない、ロックが。死んでしまう。」

−あー、ロックはまだ生きてるんだ？

たけし丸「いいバンドも多少いるから・・・」

−随分エラそーだな！自分らもそんなにエラい音楽をやっていると？

たけし丸「（ぼそっと）社会派パンク」
直樹「はあ？」
たけし丸「絶望ロック？」
一同「・・・」
たけし丸「や、みんなこうがーってなって（手で下り坂を表す）そっから這い上がってきた人たちだから」
直樹「歌詞をきいてもらいたいですね！反骨精神バリバリですから。『俺達もがんばってるからおまえ達もがんばれよ』って直接訴えてくるから、徳重ハイの曲は痛いって、お客さんからよく言われる。」

−詞の内容は具体的に言うと？

直樹「『立ち上がれ』(曲名)を代表するように、やれよ、と。『やっちまえ』(曲名)を代表するようにやれよ、と。」

−(笑)何をやれよ、と？

たけし丸「『みんな同じじゃないんだから、一人一人自分の道選んでけ』ってことかな。赤信号をみんなで待ってても変わらないよって感じ。文句ばっか言ってても何も変わらんじゃんって。
歌詞は、自然に出てきたものを歌ってるだけです。今はどう聴いても『こいつなんも考えてねーな』っていうの、あるじゃないですか。エラそーなこと言いますが。俺はビートニクの、トムウェイツとかパティスミスとか、あの辺が受けた影響を、俺も本読んで直に受けてて。ケルアックとか読んで北海道に旅に出たり。あのへんの、生きる力が強い時代がやっぱ好きで・・・」
直樹「ここ重要です！だから歌詞の内容に合った曲作り、歌詞を伝えるために楽曲をつくるというつもりでやってきました。」

−そんな徳重ハイ、ライブでは何をやれよ、と？

たけし丸「観に来てもらって、パワーを感じてくれれば。別にのるのらないとかは問題じゃなくて。」
直樹「色んな楽しみ方をしてもらえればいいね。こっちも伝える反面音楽を楽しんでいるんだからね」

−意外と普通な答えだね(笑)。では、最後に今これを読んでいる方々へメッセージを。

直樹「オマエの心臓は動いているのか!?」
たけし丸「ニセモノとホンモノの区別ができるように勉強しよう」

−エラそーに！

たけし丸「徳重はホンモノに近いニセモノです(笑)」

ね、エラそーでしょ。でも自分達への自負とかそんなんではなく、こういう言葉で自らを奮い立たせてる、そんな感じがする。彼らの音楽もまたしかり、あーだこーだ言ってないでとにかく「やれ」、出来なくても「やれ」と聴く人を追い立てる。際立った個性のあるバンドだ。ホンモノに近いニセモノ、という徳重ハイの真価をライブで見極めろ！