Live Report
CURIO

 急に涼しくなったりして、夏の終わりを感じ始めた8/27。この時期は、夏の出来事を思い出したりして、なぜか切ない気分になってしまったりするもので、この日のell.FITSALLでのCURIOのライブも、胸を締めつけられるような、そんな夏の思い出の1つになった。

photo 10分遅れで会場が暗転すると、誰からともなく手拍子が起こり、ステージの上にメンバーが登場すると、手拍子が大きな拍手と歓声に変わる。実はCURIOの名古屋でのワンマンライブは約3年ぶり。観客のテンションが上がるのも無理もないだろう。ドラムの音が高らかに鳴り響き、1曲目の『いつか見た夢』が始まり、Vo.NOBがリズムに合わせて、頭を大きく揺らしながら、ゆっくりと足踏みをするように踊り出すと、何だか幻想的な世界へと引きずり込まれていくような感覚に陥った。「もしも君の前で泣いたら涙を拭いてください。」という切ない歌詞が印象的な『butterfly』では、NOBがまるで鳥の羽のように腕をめいっぱい伸ばして、身体全体でこの歌を表現していると、ゆっくりとリズムをとっている観客も、まるで雲の上にいる人達を見るかのように、ステージから目を離せないでいた。短いMCの後で、Dr.BRITAINの大きな掛け声と共に『WTC』、新曲『未完成ロマンティック』は激しいロックなナンバーで観客は、一気に踊りだした。きっとこれからのCURIOライブの中でも、欠かせない一曲になるだろうと思った。

 ここでメンバー紹介などで落ち着き、さっきまでの激しさとは一転、ゆったりとしたバラード『fish』『月と鏡』『a living』と続く。まるで話しかけるような優しい歌い方と、どこまでもつき抜けていくような高い声が、聴いている側の耳に心地よく伝わってくる。そして、イントロが聞こえた瞬間に、観客が息を飲んだ瞬間がわかった『粉雪』は、たとえ今の季節が夏でも、自分たちも半袖のシャツを着ていたとしても、目を閉じればそこに冬の情景が浮かんできて、ジックリと聴き入ってしまう。久しぶりのライブでも、ちゃんとこの曲が聴けるという事が、CURIOのことを待っていた人たちには、何とも言えないうれしさがこみあげてきたのかもしれない。CURIOの曲を聴いていると、その曲の世界と自分の中にある記憶の世界が合わさっていくような不思議なチカラで、つい想像して引き込まれていく。そして『Smoke Gets In Your Eyes』、新曲『Clover』で徐々にテンションを上げていった。

photo 今日のライブのMCで、NOBはいったい何回「楽しい!」という言葉を言ったのだろうか?数え切れないほどのこの言葉は、うれしくて楽しくて仕方ないといったメンバー全員の気持ちを表しているようだ。そして今までのなごみムードを切るようなギターの音で始まり「もう一度がんばります」と言った『Go Around The World』はメジャー復帰第一弾シングル。Ba.KASSAIが大きく身体を揺らしながら演奏し、これからのCURIOのメジャーへの挑戦にふさわしい、彼らのエネルギーを感じる力強い曲。この日一番の拍手を贈った時だった。

 それにしてもステージの上での彼らの生き生きとした、いい顔をしていたのが印象的だった。見ているこちら側も、自然と笑顔がこぼれるような。その証拠にNOBが「みんないい顔をしてるよ。」とうれしそうに客席を見渡す。それはステージの上にいる彼らがもたらしたものだということは、そこにいた全ての人がわかっていたはずだ。

photo その後「本当の癒しとは発散することだ!」と叫んで始まった『N-edge』『noah』『R.J.L.J.J』『ginger』でラストスパートをかけていく。曲のイントロが流れると、狂ったように激しく踊りだす観客。もうステージも客席も関係なく、一体になるとはこういう事をいうのだなぁと実感した。最後はNOBがSaxを演奏するインスト『BUZZ』で本編が終了した。その後、観客の“Go Around The World”を歌ってメンバーを呼ぶ声に答えて、アンコールは『オレンジのKISS』、優しく包み込むようなバラード『Blanket』でこの日のライブが終わった。

 終わった瞬間、新しいスタートを切った彼らの力強いエネルギーを受け、全力でこのライブを体験した私達は、爽やかな達成感が心地よく身体に残り、夏の終わりを感じて少し淋しくなった。でも10月には1Fのエレクトリックレディランドで、地元のバンドも交えて6組ものバンドが出るイベントに、CURIOも出演する事が決まっている。センチメンタルに浸っている暇もなく、これからくる秋が、彼らのライブと共に待ち遠しくなった。



インフォメーション
10月12日(土) @ElectricLadyLand
with CHOKO/BUNGEE JUMP FESTIVAL/ザ・ハイナンバーズ/SO UNDER WORD/THE PAN

open17:30 start18:00 ad\2000 day\2500 (without drink)
Ticket Now on Sale!!
 

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