GOING UNDER GROUND

昨年のGOING UNDER GROUNDの活躍は目を見張るものがあった。6月のデビュー以降、数々のライブイベントへの参加、そしてメジャー初アルバムにして「解散してもいいくらいイイ」とメンバー自ら称した“かよわきエナジー”を発表し、その後のレコ発ワンマンツアーで早くもSOLD OUTを続出させたり・・・。と、とにかく期待を裏切らない進化をとげている。

そして2002年、ゴーイングは年明け早々に活動を開始、4月17日には“ミラージュ”と“秘密”というまったく異なるイメージの2曲からなる待望のシングルをリリースする。“ミラージュ”はいわゆるゴーイングの、「せつなく」そして実に「さわやか」に過ぎ去ってしまった夏を描き、“秘密”は密やかな「あたたかさ」を「繊細」に表現するという両A面とも言うべき2曲。

『ツアー中に断片みたいのは出来てたんですけど、ツアー終わってもホント、曲できなかったんですよ正直な話。なんか曲を作るモードになれなくて、歌詞とかも「俺何書いたらいいんだっけ」とかも忘れちゃってたりして、達成感とかってコワイと思いましたね。でもやっぱり「出したいからなぁ」って思って一生懸命作って、ほんと年末の年末に“ミラージュ”って曲書いて、1月の頭からリハしてレコーディングしてって感じですかね。だけどホントにいつもと気持ちとか歌ってることとかも変わんないっすよ。特に新しいことをやろうとは思ってなかったし・・・。

例えば“秘密”っていうのは丈さん(Dr:河野丈洋)の歌で。丈さんがレコーディングの間際にたまたまスタジオに持ってきた時に、聴いてスゴイいい歌だったから単純にやりたいなと思って、みんなでいつものようにやって・・・って感じで。でもその前はいろいろ不安でしたけどね。やっぱ「曲できない・・・。どうしよう・・・。」とかあったんすけど、結局いつもどおりいい曲が出来てそれがCDにして出せるってのは嬉しいじゃないですか、やっぱりバンドマンとしては。それで結構OKだし・・・。

あと“ミラージュ”を作ってまた曲作るモードになってきて。この前もまたレコーディングしてたんですけど、それもいい曲だし。いやぁ、絶対次のアルバムとかもいいのになるなって思って・・・。』(Vo&G松本素生)

二人のソングライターによるゴーイングのまさに表と裏のような新曲は、あくまでセンチメンタルで青春真っ只中な彼ららしさは残しつつも、次のアルバムへとつながるような新たな一面も覗かせるという絶妙なバランスの上に成り立った曲となった。

しかし彼らの魅力はただの音盤だけでは十分とは言えない。私自身、前作“かよわきエナジー”を素晴らしいと思う気持ちは、年末にell FITS ALLでのライブを見たことで確信へと変わった。なんというか、ライブハウスという場所にいることで体験できる、音・アクション・空間・オーディエンスの全てが、曲のパワーやバンドの魅力につながってるような気がして、曲だけを聴いたときよりも、よりダイレクトに「よさ」を実感したのだ。

『この前のツアーは・・・ワンマンツアーで、そうやって長い間いろんな所まわったの初めてだったんすよ。だからツアーが全部終わった後はわりと真っ白になりましたね。でも最後の方だったけど名古屋とかはすげぇ楽しかったですよ。もう、かなり2本の指に入るくらい雰囲気とかすげぇよくて。なんか、ただ演奏がよかったとかそういうんじゃなくて、全部が良かったかなぁ。』

そんなライブ会場の中で印象的だったのが、コブシを振り上げながら一生懸命歌詞を口ずさむ男の子・・・。最近のどこのライブにもありがちなライブを聴く、楽しむというより「暴れに来てるの?」というような若者とは対照的な、ゴーイングの歌詞の一言一言をかみしめて聴き入っているかのようなその姿が今も私の目に焼きついている。

『そういうのって嬉しいっすね。男の子とかもだんだん増えてきたし・・・。なんか見に来てる人たちって、自分達にすごい似てる気がするんですよ。この人達たぶん友達になれるだろうなって言うような感覚あるじゃないですか、同じ匂いがするって言うか。別に男の子でも女の子でもいいんですけど、やっぱり自分達の曲とか歌ってくれてる人とか見るとスゴイ嬉しいし、ホント抱きしめたいくらい。ステージ降りて一人一人・・・。もう、だから早くツアーに出たいですね。』

そんなウレシイ言葉どおりにゴーイングは5月にまたココ、名古屋に帰ってくる。ライブの会場も前回のツアー時よりも広いステージ、広い客席のELLに・・・。ここでまた、あの見逃せない貴重な空間が生まれるのだ。

『前回のライブはチケットが売り切れたりしたじゃないですか。なんか俺、個人的に嬉しくなくて。見れない人がいるのってスゴイ淋しいじゃないですか、自分がその立場になった時に。だから俺はホント広いところでやって見に来たい人が「あ、今日ゴーイングのライブやってるんだ!」みたいな感じで来れるのが一番いいなと思って。だからとにかく、気になったりしたらライブとかに来て欲しいし、音も聴いて欲しいし。
なんかミュージシャンのライブに行くとかいうよりは、友達のやってるパーティーに遊びに行くみたいな感じで来て欲しいなって。極端な話ライブ来てライブ見なくてもいいし。ホントその、例えばELLだったらELLっていう空間があるじゃないですか、そんなかで普通に楽しい一日になればいいかなぁ、見に来た人も俺達も。だからホント軽いノリで来て欲しいです。ま、まず来なきゃ意味がないんです。』

そんな勢いにのる彼らの今この瞬間を見届けるために、そしてまたあの素敵な雰囲気を味わうために私は5月16日ELLに行こうと思う。


インフォメーション
  5月16日(木) @ElectricLadyLand
tour 2002"hocus pocus"
GOING UNDER GROUND
open18:00 start19:00 ad\2500 (without drink)
問)ジェイルハウス 052-936-6041
最新シングル“ミラージュ c/w 秘密”4/17 on sale!
 


copyright