OOSU PRESS
2001 Sep NO.111

LIVE REPORT

 いや〜、アツいね、なにがアツいって、今年の日本のロックフェスティバルだよ。全国各地でアツい内容、アツいラインナップのイベントが目白押しで音楽好きにはたまらないよね。それをライヴハウスサイズでやってしまうのがこのS.E.Pだ。2階ELL、ell.FITSALLをフルに使って次世代を担う13組のアーティストが暴れた前回に続き、2回目となる今回は、連続出場のNANANINEやbabamania等、14組がアツいライヴを繰り広げてくれた。

 ELLでは、Stereo Fabrication of Youth、ell.FITSALLでは、さくら、のELLをホームグラウンドとする2バンドからスタートし、フロアを暖めてくれた。

 ヒップホップユニット一発目はKICK THE CAN CREW。前回のS.E.Pにも出演し、その後は2ndマキシ「イツナロウバ」がオリコン初登場25位!さらにフジロックフェスティバルに出演、と快進撃を続ける彼ら。フジロックに比べて今日の観客はかなり少ないが、それでも「スーパーオリジナル」から始まる彼らのライヴパフォーマンスは相変わらず、アオリまくり、盛り上がりまくりの展開、これからもさらなる快進撃が続くことを予感させるライヴだった。

 ell.FITSALLでは、こちらも、フジロック出演を果たしたザ・マーガレットラブランジェリー、3ピース編成による濃〜いロックンロールは、たまらなくカッコイイものだが、なぜかフロアは寂しい。疑問を感じつつELLに降りてみると、NANANINEがほとんどのお客さんをかっさらっていたのだ。あいかわらず元気な彼ら、福岡県民はみんなこんな奴らばっかなのか?と思ってしまうほど。特に両サイドがヤバい、ギターを腰より高めにかまえたGt大野は1人だけ別のバンドにいるかのような暴れっぷり、Ba朱雀はアクシデントにもめげずハネまくり、しまいにはステージから跳び降りる始末。小さくまとまってしまうことなく、豪快にぶちまけてくれる、彼らのライヴはホントに気持ちのいいものだった。

 それに続くは、これまた連続出場組の、センチメンタルメガネギターロック、YOGURT-pooh。愛嬌のあるバンド名や、さわやかなビジュアルに反して鳴らされるのはパワー溢れるポップな楽曲、そして、泣きのメロディ。NANANINEとYOGURT-poohの二連発で、フロアはさらにアツくなった。
 イベントが後半戦を迎えるころになると人の数もまばらに。前回もそうだったが、お目当てのバンドを見終わったり、終電が近くなったりで、帰ってしまう人が多いのがこのイベントの問題点かも。しかし、フロアの閑散ぶりに反比例して、ここで今回一番のアツさを誇るバンドが登場!

 babamaniaだ!ヤバすぎ、アツすぎ、このバンド。2MC+3ピースのミクスチャー、と聞くとなんか今どきのバンドかー、と思いきや、各メンバーのキャラが強すぎて、まるで異世界、異次元のバンドだ。特にバンドの顔である、男女の2MC、男性Vo.genkiは銀ラメの腰布一枚、なのになぜかスニーカーという国籍不明ないでたち、曲中では絶妙な腰使いで南米ノリのダンスを繰り出し、女性Vo.mariはこちらも国籍不明な感じ、キュートかつセクシーなステージングとハイトーンボイス。そして、いきなり前に出てきて強烈なMCをするDr.大吾、やたらジャンプするBa.takeo、長髪を振り乱し演奏に集中したかと思いきや叫びだすGt.Yujin、この三人も強い個性と確かな実力を併せ持っている。この五人の個性と演奏力により生まれる楽曲により、最初は呆気にとられていた人達も引き込まれていき、ついには会場をbabamania一色に染めてしまった。大トリのhot hip trampoline schoolでは2回もアンコールが飛び出し、最後まで残ってくれたお客さんの満足な表情が印象的だった。

 今回も新しいバンドと出会い、楽しむことができた。これがこのイベントの目的であったわけだが、今回はどれだけの人が新しい音楽と出会えたのだろうか?リスナー側も積極的に新しいフェイバリットバンドを見つけに参加してくれればバンドとリスナーの結びつきがさらに広く、強くなっていくことになるだろう。今回特に紹介したバンドは秋に再び名古屋にやって来る予定。「SEPでの短いステージでは物足りない」「今回は見損ねた!」という方、ぜひ足を運ぶべし!

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